(出典:https://www.azabutailor.com/blogs/shinjuku-south/2017/09/07/)
Mezzoforte Loungeでも記事のアクセスランキングで常に上位に入る麻布テーラー。
高級ブランド生地であっても比較的お手頃な価格でオーダーできる為、オーダー初心者はもちろん、生地にこだわりたい方にもオススメです!
柔らかさとキレイな発色はまさに夢のよう!ドリームツイードのすゝめでもお話しましたが、このレベルの生地をお手頃価格で豊富に扱っているところも珍しいと思います。
今回は上記の記事でもご紹介したイタリアの高級生地ブランドのロロピアーナが誇るドリームツイードという生地でオーダーしたジャケットをご紹介したいと思います!
麻布テーラーでオーダーができる内容については、高い知名度と豊富な選択肢!麻布テーラーでのオーダースーツ攻略に纏めましたので、そちらをご覧ください。
目次
オーダー内容
ざっとまとめると・・・
こんな感じでオーダーしました。
ロロピアーナのドリームツイードの生地を使うということで、麻布テーラー以外で作るとジャケットでも15万〜60万はかかります。
しかし、麻布テーラーではなんと6.4万〜でオーダー可能!実際、今回ご紹介する私の場合でも6.6万で作れました。
私は私服用として作ったので、ポケットもパッチポケットにしていますが、水平ポケットにすれば、ウォームビズのジャケパンスタイルで着ることも可能でしょう。
ドリームツイードは生地の糸の色が特徴的な為、その鮮やかさに惹かれてしまいますが、仕事として使いたいのであれば、暗めのネイビーやグレーを選ぶようにしましょう。
仕上がったスーツのご紹介!
秋冬に暖かく着れるツイードなので、ゴワゴワとカタいのかと思いきや、柔らかな触り心地なのはさすがです。
オンオフ兼用のジェットクルーズモデルの為、ずっすりと乗っているような感覚はなく、軽い作りになっています。
袖丈はもう0.5cm短くした方がシャツが見えていいかなと思ったのですが、この長さが良いと推され、一旦この長さに。
うーん、やっぱり個人的にはもう少し袖丈は短い方が良いかなと。
6ヶ月は無料でお直し可能なので、お願いするかちょっと検討します。
試着時点で少し大きめかなあと感じましたが、やはり縦に凹みとシワが入っていますね。
とはいえ、もうワンサイズ下げるとキツさがあった為、麻布テーラーではこの辺りが私のベストなサイジングかと思います。
着丈は相談しながら微調整した為、いい感じです!
また、私が前肩な上に猫背なので、首の下あたりにツキジワという横ジワが入りがちなのですが、麻布テーラーではそういったシワは無く、仕立ててくれているように見えます。
ちなみに細かい部分に目をつけると、襟はパーツを2つのパーツを縫い合わせて作られた二枚襟でした。
襟の作りは首の吸い付きに直結する為、本来アイロンでじっくり人の首の形に合うように曲げる工程が必要です。
しかし、この二枚襟にすることで簡単に立体感が出るため、人手のアイロンワークをカットでき、コストが抑えられます。
その代わり首への吸い付きは、あまり期待できなくなります。
首(正確には第7頚椎)に吸い付いていない為、重めの生地を選ぶと重さがのしかかります。
今回は比較的軽い作りのジェットクルーズモデルを選んでおり、ドリームツイードも標準の重さの為、襟に完璧な吸い付きがなくとも、あまり重みは感じません。
オーダー時のポイントと麻布テーラーの位置付け
スーツのオーダーの失敗を避けるためにも、麻布テーラーの特徴を掴みましょう。
まず、良いスーツが押さえるべき重要なポイントは①フィッティング、②生地、③仕立ての3つです。
この中でも麻布テーラー最大の特徴は②の生地にあるでしょう。
繊維に強い伊藤忠商事の傘下にあるからか、本来高級な生地を比較的安価で使用することができます。
同じく生地問屋故にお手頃価格で高級生地がオーダーできるグローバルスタイルと比べても、ゼニア、ロロピアーナ、ドーメル等の最高ランクの生地は基本的に麻布テーラーの方が安くオーダーできます。
いずれの場合も、その他のテーラーよりも5万以上安く作れたりすることには間違いありませんが(笑)
①のフィッティングについては、パターンオーダーで元々用意されたゲージに合えば、問題ないでしょう。
私の場合、前述の通り、脇のキツさ故に完璧なジャストとはいかず、もう少しゆとりを持たせたいと思ったら、「1サイズ大きいゲージになります」となりました。
結果、「若干大きいかな」という感じにはなりましたが、そこまで気にならない仕上がりです!
③仕立てについては、もちろん不満があるようなレベルではないですが、麻布テーラーは、この仕立てを強みとはしてないように感じます。
工程別(採寸⇒型紙選出&微調整⇒カッティング⇒縫製&アイロンワーク)にもう少し詳細に見ていきましょう。
まず、採寸については、パターンオーダーとして標準的な採寸だったかと思います。
その後も袖丈等、私の希望についてコミュニケーションを繰り返しながら、再度細部の採寸を行って頂けました。(個人的にはもう0.5cm短くしたかったですが…!笑)
次に、型紙選出&微調整については。パターンオーダーの宿命ですが、既に用意されたものから選ぶことになります。
微調整はききますが、私のようにちょっと合わない部分は出てくる可能性は致し方なしです。
生地のカッティングは、パターンオーダーの為、採寸結果に合わせて規格通りに裁断されます。
フルオーダーで技術あるカッターが対応する場合は、人間の身体の動きや体型の変化も勘案した裁断を行いますが、そういったことはさすがに期待できません。
縫製は国内の自社工場で行われているようです。
アイロンワークについては、そんなに多くかけている感覚はありません。
アイロンワークが多いほど、身体の曲線に合って首に吸い付く感覚も高まっていきますが、それはあまり望めないと思います。
値段からしても、仕立てレベルの高さまで求めるのは酷でしょう。
なので、麻布テーラーの特徴をまとめると、
かなと思います。
大きな特徴は、ターゲットも近しいグローバルスタイルに近いかと思います。
グローバルスタイルとの違いは?
もちろんモデル違うので厳密には形が変わりますが、よっぽどどちらかの店舗のモデルにこだわりがない限りは気づきもしない違いでしょう。
また縫製についても、どちらもマシンメードですので、大きな違いはないのではないかと思います。
お手頃な価格帯のマシンメードは、大量生産に備えて、誰がミシンを動かしても同じものが作れるような体制を整えて行われています。
つまり、国内であろうが、海外であろうが私たち一般人に分かるレベルの極端な違いは起こらないでしょう。
というか、そんなに海外縫製がヒドいのだとすると、これだけネットでレビューが見れる現代で生き残れませんよね。
では、私たちが実感するレベルでの違いは何かと言うと、まずは「生地の選び方」かと思います。
グローバルスタイルだと、反物ベースで選ぶ為、実際に肩に生地を乗せてもらうことで、完成イメージがつきやすくなります。
一方で麻布テーラーは、バンチブックベースで選ぶ為、生地のサイズが小さく、完成イメージはつきにくいかもしれません。
ただし、これも強いて言うなら、の違い。
もちろんビジネスで適切とされる暗めの生地で無地やシャドーストライプの柄にする場合には、完成イメージもしやすいと思いますので、大した差にはなりません。
私服用に明るめの生地や、ウィンドーペン等の柄に挑戦する際には検討ポイントの一つかもしれませんね。
ちなみに生地の違いや特徴については、素材・柄からイギリス・イタリア生地まで!スーツ生地の特徴と違いにまとめましたので、ご興味のある方はどうぞ!
麻布テーラーはどんな人向き?
麻布テーラーでのオーダーに向いているのは、
かなと思います。
店舗数も多く、客層にも若い方が多い為、初めてのオーダーとなる若い方も入りやすいです。
また、今回のように他店では15〜60万する高級生地も6万台で作れたりするので、良い生地のスーツという満足感を得ることができます!
これまでポリエステル混紡の既製服しか着たことない場合、感動すること間違いなしです!
ただし、イギリス生地のように目付けがしっかりした生地で重みがある生地を選んでしまうと、モロに重みを感じるので注意。
重みがある生地でも重量を感じなくする為には、アイロンワークがしっかりしていたり、肩のいせ込みをしっかりする等の手間をかけた仕立てが必要になります。
前述の通り、仕立ての部分に強みを置いているわけではない為、麻布テーラーでは柔らかいイタリア生地を選んだ方が個人的にはベターだと考えています。
今後も、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録やTwitterのフォロー、noteの応援を宜しくお願いします!