(出典:https://www.mens-ex.jp/fashion/feature/181203_9554.html)
「ブリティッシュのモデルなのに・・・柔らかい!!!!!」
と、衝撃が走ったテーラーのbatak。
最近、仕立ての良いお店をピンポイントに見に行った為、先日ご紹介したCollaboration Styleと連続していますが、これまでMezzoforte Loungeで絶賛してきたZerbinoに並ぶ素晴らしい仕立てです。
雑誌Men’s EX等でもたびたび紹介されているので、ご存知の方も少なくないかと思いますが、やはりbatakは凄かったという話です。
雑誌で紹介されているブランド群は正直、ブランド名だけで仕立て自体はそこまで・・・というケースも少なくないのですが、batakは別格でした。ここを知らずにブリティッシュ系のモデルのスーツを仕立て続けている方がいたら、あまりに勿体ない。
また、サックカットという、いわゆるアメリカンに代表されるボックスシルエットの型紙も素晴らしいです。
私のように低身長でガタイがいいわけでもない人間は、ブルックスブラザーズ等のようなブランドのスーツは、単なるダボダボシルエットになりがちですが、batakであれば、自分のサイズに合わせつつも、サックスーツのシルエットや着心地を損なわない塩梅を実現することができます。
そんなわけで、ぜひオススメしたく、ご紹介します!
目次
オーダーの分類は「イージーオーダー」および「フルオーダー」
batakはマシンメイドで、CADに登録されたベースとなる型紙から縦・横幅調整し、あなた用の型紙を作成する「イージーオーダー」そして、ハンドメイドでイチから型紙をひく「フルオーダー」を採用しています。
※ちなみにイージーオーダーでも、オプションとしてハンドメイド工程を加えることが可能です。
予算が潤沢にある方はフルオーダーが良いかもしれませんが、batak自体がビスポークテーラーから始まっているため、イージーオーダーについても、最初からイージーオーダーの向上が縫製しやすい水準で型紙を起こすのではなく、ビスポーク水準から工場でも請け負えるレベルに技術レベルを落とす形で型紙を引いています。
さらに、採寸についても独特の手法を取っており、イージーオーダーであってもビスポークと同じようになで肩や前肩などの補正も対応可能となっています。
パターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダーの違いや詳細が気になる方は、仮縫いの有無は無関係!もう騙されないパターン/イージー/フルオーダーの分類にまとめましたので、是非ご覧ください。
batakの仕立ての種類
batakでは仕立ての種類が複数設けられており、前述の通り、イージーオーダーとフルオーダーに分かれています。
この仕立ての種類に応じて最終的な価格が大きく変わりますので、着心地や予算を含めて検討が必要です。
いずれの仕立てにおいても一枚襟かつ総毛芯での仕立てとなっているので、総じてクオリティに対する心配はありません。
イージーオーダー
メイド・トゥ・メジャーはマシンメイドですが、+¥30,000のマスターオーダーにすることで、ハンド工程を加えることができます。
また、+¥15,000で仮縫いを付けることもできますので、フルオーダーほどの予算はないものの、より身体に合わせたいという方は是非!
フルオーダー
こちらは共にハンドメイドで、ビスポークはbatakの工房で仕立てられており、プライベートビスポークについては、オーナーの中寺広吉氏と会話し、まさにビスポークで理想のスーツをゼロから仕立て上げていきます。
batakのハウスモデル
(出典:https://precious.jp/articles/-/3749)
batakのハウスモデルは主にはドレープカットとサックカットの2つです。
ドレープカットは、ブリティッシュテイストな型紙のため、カッチリとした印象がありますが、着心地は柔らかく、着ていて全然ストレスがかかりません!
サックカットは、アメリカントラッドな型紙のため、BOXシルエットが標準となりますが、このサックカットも少しウエストに絞りをいれるだけで、寸胴に見えるBOXシルエットがニガテな方にも非常にカッコよく映るであろうスタイルに仕上がります。
ゲージサンプル時点ではサックカットの方がカマの位置が少し高めになっていますが、これは調整できますので、心配ありません。
batakで選べる生地と価格
生地については反物およびバンチブックから選ぶことができますので、かなり幅広い選択肢を持ってオーダーできるでしょう。
しかし、ズラリと並んだ反物を自分で眺めながら選ぶというよりは、たとえば日比谷店であれば、座り心地の良い椅子とオシャレな空間で、フィッターの方にイメージするスーツをお伝えし、適した生地を持ってきて頂くスタイルです。
もちろん、持ってきて頂いた生地がイメージと異なる場合は、しっかりお伝えしましょう!
コミュニケーションの中で微修正を図り、自分が求める最高の生地を選ぶのが重要です。
前述の仕立ての種類によって価格は当然異なるのですが、たとえば最もお手頃なメイド・トゥ・メジャーの場合は以下のような価格になっています。
- batak cloth(オリジナル生地) ¥140,000
- William Halstead ¥140,000~160,000
- Fox Brothers ¥160,000~190,000
オリジナル生地を用意しているテーラーは多いですが、大抵は安価であまりピンとこないものが多いように感じます。
しかし、batak clothについては、ションヘル織機で織り上げた風合いある生地で、見た瞬間に「あ、これはカッコいい」と感じられました!
ブランド名でホイホイと選ぶのではなく、実際に生地を見た印象を大事にすることで、余計なブランドフィーを回避して、お気に入りの一着が仕上がるでしょう。
batakのカスタマイズ概要
カスタマイズ概要についてです。
袖ボタンは並びつけ、重ねつけだけでなく、本切羽も+¥3,000で対応頂けます。
ポケットは、ノーマル、スラントだけでなく、パッチポケットやチェンジポケットも対応頂けます。(チェンジポケットはハウスモデルとしてドレープカットを選んだ場合のみの対応)
ベントはセンターベントやサイドベンツはもちろん、ノーベントも対応可能です。
裏地は総裏も背抜きも選ぶことができます。
裏地の素材自体は当然キュプラが標準!このレベルになってくるとポリエステル裏地が標準でないところも嬉しいです。
ボタンについても本水牛などの高級ボタンが標準となっていました。
スリーピースにする場合には、生地によって価格が異なるものの、メイド・トゥ・メジャーであれば¥25,000~30,000でベストが作れるようです。
「俺評価。」は?
基本的に「イチオシ」としました!ビスポークではないスーツに15万以上かけたくない方も少なくないと思いますので、15万を超える場合には「良し」としています。
標準仕様も、アップチャージでハンドメイド工程を加えたマスターオーダーも着心地は「高」ですので、メイド・トゥ・メジャーのテーラーとしては、ゼルビーノやファイブワンと並びトップクラスだと思います。
評価方法の詳細については9割の人はテーラー選択ミス?「俺評価。」はじめましたをご覧ください!
店舗の雰囲気や落ち着いた接客等、仕上がりだけでなく全体的な雰囲気も個人的にすごく好きですが、予算的にも少し敷居が高く、中級者から上級者向けのテーラーかと思います。
都内および大阪に展開
batakは都内3店舗、大阪に1店舗と小規模展開しています。
クオリティから考えても大規模チェーン展開という類のお店ではないでしょう。
バタク 日比谷
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所在地:〒100-0006 東京都千代田区有楽町1-2-14 紫ビル2F
バタク 御苑
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所在地:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-3-4 Gyoen R1-2F
バタク 大阪
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所在地:〒541-0047 大阪市中央区淡路町2-5-8 船場ビルディング214号
batak中寺創作室
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こちらはプライベート・ビスポークサロン兼アトリエで、オーダーしたい際にはその他各店舗のスタッフへお願いする必要があるそうです。
・・・さて、ここまでご紹介してきたので、オーダーできる内容も、店舗の場所も分かったと思います。
とはいえ、いざ実店舗に足を運ぶとなんか違うと思っても「やっぱり止めた」とは言いづらいですよね。
まずはWeb上でちゃんと比較した方が良いと思い、体型の悩みをバッチリ補正!東京のイージーオーダースーツ店まとめに整理しておきました!
しっかり他店舗とも比較してから足を運べば、迷いも少なくなります。
オーダーに向けた事前準備
こちらはオプショナルですが、一流のビジネスパーソンとして、適切にスーツを着こなすための情報を以下にまとめましたので、ぜひご覧ください!
そもそも論理的に一流のスーツスタイルとは・・・
え、まだセンスに頼ってるの?論理で再現できるスーツの着こなし
身体に合ったスーツとは・・・
あなたはなぜ残念なスーツを購入してしまうのか?一流を作るスーツとは
差がつくポイントは・・・
なぜあの人はカッコいいのか?差がつくスーツ・ジャケットのポイント
生地を選ぶ際のポイントや特徴は・・・
素材・柄からイギリス・イタリア生地まで!スーツ生地の特徴と違い
パンツの裾上げの対処法は・・・
知らないのに結局聞かれる…パンツの仕上げの種類と対処法
販売員と上手くやり取りを行う方法は・・・
うんちく不要!販売員の知識を「運用」したスーツ購入法とは?
スーツの着こなす上で最低限押さえるべきことは・・・
意外と知らない?スーツを着る上での基本
圧倒的なクオリティのブリティッシュテイストのテーラーではあるものの、やはりこのクラスになるとCollaboration Style同様、15万近くはどうしてもかかってしまいがちですね。
同水準で価格を見ると、これまでも推してきたZerbinoに軍配が上がる部分もある気がしますが、ZerbinoもCollaboration Styleもイタリアンテイストの型紙ですので、ブリティッシュテイストやアメリカンテイストで仕立てたい方はbatakでも良いかと思います。
まぁ正直ベースで言うとzerbinoでパットをしっかり入れて、肩の作りを構築的にして、ボタン位置を高くして・・・とすればいわゆるブリティッシュらしくもなります。どちらかというと、アメリカンテイストのサックカットでこそ、バタクの良さが発揮できるかもしれません。
今後も、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録やTwitterのフォロー、noteの応援を宜しくお願いします!