(出典:https://www.jpress.jp/concept/)
ブルックス・ブラザーズやポールスチュアート、ラルフ・ローレンと並びアメリカを代表するブランドのJ.プレス。
アイビールックと呼ばれるアメリカントラッドのスタイル (いわゆるbox型のシルエット) を伝統として守り続けています。
スーツにおけるアメリカンとは何かについては、なぜあの人はカッコいいのか?差がつくスーツ・ジャケットのポイントをご覧ください!
今回はそんなJ.プレスのスーツについて、既製品・オーダーともに徹底解剖します!
目次
2種類のモデル展開
J.プレスには、大きく2種類のハウスモデルがあります。
それぞれについて軽くご紹介しますね。
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オーセンティックは、ブレザーの型をスーツに持ち込んだもので、ダーツの入っていないジャケットでbox型のシルエットとなります。
フロントのボタンは三つボタンの段返りで、袖ボタンは並びつけの3つボタンになっています。
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クラシックは、ダーツが入りオーセンティックと比べウエストに絞りのきいたモデルになります。
フロントのボタンは二つボタンで、袖ボタンは並びつけの4つボタンになっています。
既製品の価格帯と仕様
(出典:https://shopblog.onward.co.jp/brand/jpress-men)
ご存知の通り、既製品展開が基本となります。
使われている生地別に価格は以下のようになっています。
ちなみに既製品でも生地によって仕立てのランクが分けられています。
たとえば、Arthur Harrison等のブランド生地を用いた既製品はプレステージラインという扱いになっており、一枚襟で仕立てられています。
一枚襟はアイロンでじっくり人の首の形に合うように曲げる工程を経た作りの為、長時間着ていてもジャケットの重さを感じづらく、着ていて疲れにくくなります。
さらにプレステージラインであれば、芯地も本バス芯のフル毛芯となっています。
一方で、オリジナル生地のスーツについては、プレスクルーシブラインという扱いになっており、二枚襟で仕立てられていました。
この二枚襟にすることで簡単に立体感が出るため、人手のアイロンワークをカットでき、コストが抑えられます。
その代わり首への吸い付きは、あまり期待できなくなります。首(正確には第7頚椎)に吸い付いていない為、重めの生地を選ぶと重さがのしかかり、疲れやすくなることに注意が必要です。
プレスクルーシブラインの場合、芯地も接着芯になります。
J.プレスでは生地が厚手でしっかりしていることが少なくない為、毛芯でなくとも生地である程度の耐久性はあります。
が、動く中でラペル等に負荷かかると、だんだんと接着面がズレ込みクタクタになる点にはやや不安が残ります。
既製品の大半を占めるプレスクルーシブラインは、そのコストカットによりブルックスブラザーズやポールスチュアートと比べお手頃な価格を実現しているものの、全体的に仕立ては簡略化されている印象があります。
裏地の素材はキュプラ100%としており、素材としては高級感を保っています。
オーダーの場合の価格帯と仕様
(出典:https://www.jpress.jp/catalog/ 2018aw_chapter02.html)
J.プレスでは、パターンオーダーが可能です。
しかし、カスタマイズできる範囲はかなり限られており、既製品にかなり近い部分的なオーダーとなります。
パターンオーダー、イージーオーダー等の違いについては、徹底解説!オーダースーツの基本と種類。おまけで嫌な店員実態も…!をご覧ください。
前述のハウスモデルをベースに、既製品の中から肩幅の合うものを選び、そこから身幅や袖丈等を調節していきます。
最終的な仕上がり価格の大半は選ぶ生地で決まります。各生地の価格目安は以下の通りです。(掲載は一部です。)
既製品の場合と同じく、基本的にオリジナル生地の場合はプレスクルーシブ、ブランド生地の場合はプレステージの仕立てになります。
また、プレステージの生地については、パターンオーダーの場合、さらに仕立てのランクを上げ、ベンチメイドという仕立てを選ぶことができます。
ベンチメイドにする場合、追加で¥27,000〜31,000程かかりますが、ハンドメイド工程が加わる為、より着心地が高まります!
また、スリーピースにしたい方は、¥20,000〜41,000程度でベストを作ることができるそうです。(生地の価格によって異なります)
詳細デザインについてですが、ベントはセンターベント、サイドベンツ、フックベント、ノーベントから選ぶことできます。
袖ボタンは並びつけのみで、ハウスモデルによってボタンの個数が異なります。(オーセンティックが3つボタン、クラシックが4つボタン)
ポケットについては、ノーマルかパッチポケットを選ぶことができます。
裏地については、総裏、背抜きが選択できます。素材はキュプラ100%が基本で、ポリエステルを選ぶことできます。
納期は4週間程度とのことです。(ベンチメイドの場合もう少し長くなるようです。)
双璧を担うブルックスブラザーズとの違い
細かく見れば型紙がいろいろと違ってきますが、着る側に分かりやすい差でいえばサイズ。
ブルックスブラザーズですと、かなり胸囲がないとイタリアンなモデルしか着ることができません。
せっかくアメリカントラッドのブランドなのに、「らしさ」を感じることができないんですよね。。
一方でJ.プレスについてはオーセンティックモデルで小さめのサイズを選べば、比較的細身の方でもアメリカントラッドを楽しむことができます!
むしろ、クラシックモデルを選ぶのであれば、同レベルの他ブランドと比べて特長があるとも言い難いので、せっかく買うのであればオーセンティックモデルが良いかもしれませんね。
購入・オーダーに向けた準備
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アメリカを代表するブランドの一つであるJ.プレス。
アメリカントラッドをただ寸胴と捉えるのではなく、スッキリと着てみたい方は是非チャレンジしてみてください!