(出典:https://www.takashimaya.co.jp/ store/special/style_order_salon/ index.html#top)
ウェブマガジンFORZA STYLE編集長でユニバーサルランゲージもたびたび監修している干場義雅氏をご存知でしょうか。もし名前にピンと来なくても「ちょいワルおやじ」という言葉は聞いたことあるかと思います。
ジローラモさんが想起されてしまうかもしれませんが(笑)、ファッション誌LEONの創刊に携わり、この「ちょいワルおやじ」等のブームを作ったのが干場義雅氏です。
カッコ良いを作りだしているイメージがあり、イタリア系ブランドを猛プッシュしていますが、本当に良いものを紹介しているのかなという素朴な疑問を持った方もいるのではないでしょうか。
特に同氏の肝入りタカシマヤスタイルオーダーサロンはYouTubeでたびたび生地選びや仕立て工程等が紹介されていますので、本当のところ、どうなの?という考察をしてみたいとおもいます。
目次
スーツのオーダーの分類は「パターンオーダー」
タカシマヤスタイルオーダーサロンは、マシンメイドで、既定の型紙の縦幅調整のみが基本となる「パターンオーダー」を採用しています。
CADというツールにベースとなる型紙をいれておき、縦幅・横幅や体型補正も行い型紙を起こすイージーオーダーや、イチから型紙を起こすフルオーダーと比べると、調整できる範囲が制限されることが多く、自分専用感は薄れます。
しかしですね、イージーオーダーでも「体型補正ができる」と謳っているものの、ベース型紙からの調整幅が少ないテーラーが多いのも実態でして、パターンオーダーだから、イージーオーダーよりもダメというのは明らかな間違いです。
パターンオーダーはブランドが理想とする形を崩さないようにしているともいえ、またタカシマヤスタイルオーダーサロンに関して言えば、「顧客が迷わずにカッコいいものをオーダーできること」をコンセプトとしているので、むしろこれはメリットとも言えます。
いろいろと語りましたが、パターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダーの違いや詳細が気になる方は、仮縫いの有無は無関係!もう騙されないパターン/イージー/フルオーダーの分類にまとめましたので、是非ご覧ください。
タカシマヤスタイルオーダーサロンのハウスモデル
(出典:https://www.takashimaya.co.jp/ store/special/style_order_salon/ itemlineup.html#suit001)
タカシマヤスタイルオーダーサロンでは大きく3つのハウスモデルが用意されており、001型ネオクラシコ、002型クラシコ、003型ブリティッシュの中から選ぶことができます。
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こちらは干場義雅氏の監修モデルで、丸みのある肩と大きくラウンドしたフロントカットが特徴です。近年のクラシック回帰を押さえ、パンツはベルトレスで2プリーツになっています。また、フラップ無しのチェンジポケットが標準でついており、なかなか他では見ないデザインになっています。(チェンジポケットが気になる場合は外すようにオーダーすることも出来るようです。)
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こちらは、その名の通りクラシカルなイタリアンスタイルをベースとしたデザインです。肩パッドを無くすなど、着心地の軽やかさや動きやすさにこだわり、それでいてフィット感も兼ね備えています。
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こちらは、セミコンケープドのややしっかりした肩と、フロントのスクエアカットが特徴です。伝統的なブリティッシュの堅苦しさをモードの要素を加えることで現代的なデザインになっています。
タカシマヤスタイルオーダーサロンで選べる生地と価格
それでは生地についてです。生地は約400種類の中から選ぶことができ、その生地に応じて仕上がりの値段が異なります。
最も安い生地だと、なんと¥49,000でオーダーが可能です!
選べる生地ブランドの一部とその値段をご紹介しますね。
- CANONICO ¥69,000
- CARLO BARBERA ¥89,000
- DORMEUIL ¥100,000
- SCABAL ¥100,000
- Loro Piana ¥120,000
- Ermenegildo Zegna ¥120,000
その他数多くのブランドを取り扱っており、バンチブックから選ぶことができる為、選択肢としては申し分無いかと思います。
タカシマヤスタイルオーダーサロンのカスタマイズ概要
さて、生地を選んだらデザインです。
袖ボタンは並びつけ、重ねつけは勿論、本切羽もオプション料金+¥2,000で対応頂けます。
ポケットは、ノーマル、スラントだけでなくチェンジポケットもオプション料金無しで対応頂けます。
なんなら001型ネオクラシコは標準でチェンジポケットがついています。
ベントはセンターベント、サイドベンツ、ノーベントから選ぶことができ、裏地も総裏、背抜きどちらも選択できます。
いずれのモデルを選んでもカスタマイズできる箇所に差異はないとのことですので、販売員とご相談の上、最もご自身の身体に合うものを選びましょう!
シングルスーツの場合、ノッチドラペルのみとなっている為、ピークドラペルへの変更はできない事も3つのモデル全てに共通しています。
また、スリーピースにする場合は¥15,000でベストが作れるとのことでした。
固定料金の為、高級生地になればなるほど、スリーピースにするのがオトクに感じられますね。
納期はパターンオーダーとしては少し長めで、4週間少々とのことです。
タカシマヤスタイルオーダーサロンの仕様
オーダースーツはサイジング命で、見た目的にはサイズが合っていればカッコよくは見えます。さらにスタイルオーダーサロンでは干場氏監修の下、現代的でウケの良いデザインを標準で採用しています。
しかし、着ている本人の着心地はサイズとは別に、スーツの仕立てられ方、仕様に影響を受けます。具体的には襟と袖の仕様がスーツの着心地を左右します。
襟はしっかりとアイロンワークを施して生地を首の形合わせて捻じ曲げることで、ジャケットを着た際の体圧を分散し、疲れにくく仕立てた「一枚襟」と、そういった作業をスキップして簡易的に立体感を作り出す「二枚襟」という仕様があります。
スタイルオーダーサロンでは二枚襟を採用しているので、首への吸い付きのレベルは高くはありません。店舗規模や価格的にここまで求めるのは酷なので、仕方ないでしょう。
袖については、肩の付き方やいせ量などが重要。前身頃に対して後身頃側の生地を多めに使い、それらをいせ込んで縫い合わせることで、可動域を担保しているわけですが、見るより着てみるのが一番。
しっかりした仕立てのジャケットを着たことがある方が着れば分かると思いますが、スタイルオーダーサロンの仕立てレベルは標準程度で、袖の可動域の部分で嬉しい驚きを感じることはありません。
実際に結局5万台のスーツってどこがオススメ?最高のオーダースーツが見つかる新宿の黄金ルートで、友人をあちこちのお店へ連れ回した際にも、タカシマヤスタイルオーダーサロンのスーツを着た友人の反応は、なかなか衝撃的なものでした。
※詳細は記事の方でご覧ください(笑)
タカシマヤスタイルオーダーサロンにしようかまだ悩んでいる方であれば、ぜひ一度ご覧ください。
「俺評価。」は?
ずばり、「不要」としました。一部ですが、同様の価格でより優れたテーラーは確実に存在します。
評価方法の詳細については9割の人はテーラー選択ミス?「俺評価。」はじめましたをご覧ください!
もちろん、タカシマヤスタイルオーダーサロンも決して悪い物を作っているわけではなく、極めて一般的な水準のスーツを仕立ててくださいます。
初めてのオーダーする、もしくは干場氏の感性に心酔しているのであれば、不満を持つもこともないんじゃないかと思います。
ただし、基本的には「初心者向けのテーラー」という理解で良いかとお思います。
ちなみにタカシマヤスタイルオーダーサロンでは、スーツ以外にもカバン等も売っており、私もペッレモルビダのカバンは使用しています。
ナイロンだからこそ雨の日でも使えますし、こちらについては特に不満も持っていませんよ!
その名の通り、高島屋の一部店舗での対応
タカシマヤ スタイルオーダーサロンは、日本橋、新宿、横浜、大阪、京都の高島屋に店舗を構えています。
ここまで見て、ある程度気持ちは固まってきたけど、本当にスタイルオーダーサロンだけ見て決めていいのか?という方もいるのではないでしょうか。
実店舗と違い「やっぱり止めた」という意思決定がしやすいようにあれ、知らなかった!?東京でパターンオーダーできるお店まとめで各店舗を整理しておきました!しっかり比較検討してみてください!
オーダーに向けた事前準備
こちらはオプショナルですが、一流のビジネスパーソンとして、適切にスーツを着こなすための情報を以下にまとめましたので、ぜひご覧ください!
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え、まだセンスに頼ってるの?論理で再現できるスーツの着こなし
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今後も、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきます。
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