(出典:https://www.zerbino.info/gallery/suit)
以前Twitterでゼルビーノの型紙がアップデートされたことを報告したところ、非常に反響がありました!いいねやリツイートしてくださった皆さん、ありがとうございます!
私もオーダーしたジャケットが届いたので、実物の写真と共にご紹介したいと思います。
今回はそんなゼルビーノで仕立てたスーツをご紹介したいと思います!
以前まで型紙で仕立てたスーツのレビューや、ゼルビーノが取り扱ってるオーダーの全容も別記事で紹介しておりますので、そちらも是非ご覧ください。
【参考】圧倒的技術で着心地抜群!仕様と価格から見たゼルビーノのオーダースーツ考察
【参考】【レビュー】本当に5万台!?仕立てが良すぎるZERBINOでスーツをオーダーしてみた感想
目次
今回のオーダー内容
型紙の変更点について触れる前に、今回オーダーしたジャケットについて触れておきますね。
こんな感じでオーダーしました。
金額はジャケット単体で¥52,000!この金額だけ見ると反応はまちまちでしょうが、生地がTaylor & Lodgeということを加味すると破格です。ちょっと訳が分からないぐらいの安さです(笑)
今回の本筋からは少し外れますが、ゼルビーノはTaylor & Lodge生地については、いい仕入ルートがあるようで、他ブランド生地と比べて非常にお買い得感があるように思います。
さて、「なぜオーダーしたのがジャケットだけなの?」という所ですが、型紙がアップデートされたのはジャケットのみだからです。
とはいえ、そのアップデートがとんでもなかったので、以下に変更点をご説明していきますね。
型紙アップデートに伴う変更点
さて、肝心の変更点ですが、大きく形と副資材が変わっています。
まずは、肩。こちら、以前私がオーダーした旧型紙のスーツ(奥のダークネイビー)と今回の新型紙のジャケット(手前のネイビー)の比較です。
以前まで肩線を後ろに逃がしたセットバックショルダーが採用されていましたが、今回のアップデートで肩線は通常のものになりました。
前肩への処理がラクになるようで、前肩向きと聞いていたため、アップデートでやめちゃうの?というのは正直私も結構気になったところでした。
が、わかりやすいように袖を内側に入れた上で袖を見てみると・・・
新型の方が、グッと前方に食い込んで作られているのがわかるかと思います。このおかげで前肩の私でも肩が前身頃に当たる不快感が全くありません!!完全に杞憂でしたね。
次に細腹。旧型紙では細腹を取り除いた二枚仕立てになっていましたが、今回三枚仕立てに・・・と言っても何それ?ですよね。私もそうでした(笑)
上図はジャケットを分解した絵です。
一般的には前身頃、後ろ身頃そしてその間を繋ぐ細腹で構成された三枚仕立てとなっています。旧型紙ではこの細腹を取り除き、前身頃と後ろ身頃で構成された二枚仕立てになっていました。
二枚仕立てにすることで、絞りをいれずとも自然とウエストが絞り込まれたシルエットになっていましたが、今回こちらを廃止。シルエットは上位互換だったLuxury Lineのそれに近くなったように思います。
そしてラペルとゴージライン。
ラペルは旧型紙では一般的なスーツ同様、直線的なラインでしたが、新型紙では少し角度がつきました。ナポリのサルトリア等で見られる形で、こちらもLuxury Lineのそれに近くなりました。
オーダー時に背景を確認したところ、ブランドとしての統一性を出したとのことでした。個人的にはこのラペルの方が好きです!
またゴージラインについても写真でわかる通り、やや低くなりました。ここは全体のバランスや好みの所だと思いますが、私含め大半の人には気にならないかと思います。
最後に副資材。全く目立ちませんが、実は着心地に大きく影響すると言われるのが、副資材です。これまで同様毛芯を採用していますが、より上質なものへと変更したそうです。
実は型紙アップデートを実施した2020年3月より前に、2月時点ぐらいから副資材だけは先にアップデートしていたとのこと。
全然知りませんでしたが、2020年2月にオーダーされていた方は、2018年頃にオーダーした私より着心地が良かった事と思います(笑)
また、カスタムラインでは新旧ともにハーフ毛芯ですが、ハーフとはいえ前身頃の9割ぐらいまで毛芯が入っているので、耐久性もラペルロールも全く心配ないかと思います。
ちなみに変わっていない点については襟付け。こちらは相変わらず一枚襟になっており、ばっちりアイロンワークも施されています。
「俺評価。 」をぶっ壊す着心地
で、結局のところ着心地はどうなのよといったところですが、Twitterでも触れた通り、素晴らしいです。これまでも価格対比でウソでしょ?というレベルでしたが、さらに上回ってきました。
旧型紙の際にはMINOVAの硬すぎず、柔らかすぎずの生地でオーダーしており、新型紙ではがっしりとして重みのあるTaylor & Lodgeの生地でオーダーしているにも関わらず、着ると恐ろしく軽い。
不思議な感覚ですが、脱いで手に持つとやっぱり思いです。首にある第七頸椎への吸い付きや前肩への負担の無さのおかげで着ていると疲れない名作に仕上がりました。
そして何より恐ろしいのは価格が変わっていないところ。工場もテーラーもどちらも改善にかける強い想いがあるからこそ、実現しているのですが、凄すぎる・・・。
結果、これまでメゾフォルテラウンジ(Mezzoforte Lounge)のテーラーの格付俺評価。で存在していなかった「~5万」×「着心地 高」という意味不明な位置づけを登場させるに至りました(笑)
以前までCustom Lineは「着心地 中」としていましたし、この価格帯から「着心地 高」が登場してくるとは想定していなかったので、既存の評価フレームが完全に壊されてしまったわけです。
ただし、ジャケットやスーツであればこの評価ですが、パンツ単体で見ればこれまで通り「着心地 中」とするのが適切でしょう。さらに言えば、7万以上出せるならジャケットやスーツに関しても当然ゼルビーノのLuxury Lineの方が着心地は上です。それに、15万以上出せるなら、Dittosのようにゼルビーノを上回るテーラーも当然登場してきます。
しかし、5万以内ですらここまで着心地の良いテーラーは今のところ私も出会えておらず、もはや東京では見つからないんじゃないかとすら思っています。(だからこそ、早く地方にも進出してみたい・・・!)
今後について
正直言うと、私がもしメゾフォルテラウンジ(Mezzoforte Lounge)を運営していなかったら、もうずっとオーダーはゼルビーノだけでいいいやと思ってしまうレベルでした。
とはいえ、ゼルビーノを見つけるまで様々なテーラーを歩き回ったのも当ブログを運営していたからですし、今後もコロナが収束次第、また新しいテーラーでのオーダーを楽しんでいきたいと思います。
読者の方から「俺評価。 が見てみたい!」とご要望いただいているお店も複数ありますので、しばらくお待ちいただければと思います。
一方、そろそろゼルビーノのような価格帯で良いお店を見つけるのも困難になってきていて、1着あたりのコストが大きいお店をご要望をいただくことも多いため、しばらくお時間をいただいてしまいますこと、ご了承いただけますと幸いです・・・。
こうした背景もあり、もしかすると既にお気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、当ブログへの想い等を語ったnote:「いらないスーツを礼賛するの、やめませんか。」も作成しました。飽くまでも全文無料公開としておりますので、内容自体はすべて無料でご覧いただけます。
が、もし応援してくださる方がいらっしゃいましたら、買い切りの投げ銭型(¥500)にしておりますので、支援いただけますと非常に助かります。noteにも記載した通り、支援いただいた資金は全額スーツやジャケット、パンツ、靴等のオーダーに利用し、メゾフォルテラウンジにてご紹介します。
それでは、今後も実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録やTwitterのフォロー、前述のnoteの応援を宜しくお願いします!