(出典:https://www.zerbino.info/item/luxury.php)
と、とうとう手にしてしまった。
ZERBINO(ゼルビーノ)のラグジュアリーラインのジャケット!
タイトルの通り、もはや他のテーラーでジャケットを作る気が無くなるレベルの圧倒的な着心地。
・・・と初っ端から興奮しすぎましたが、いつも通りレビューしていきたいと思います!笑
Zerbinoが取り扱ってるオーダーの全容については、圧倒的技術で着心地抜群!仕様と価格から見たゼルビーノのオーダースーツ考察をご覧ください。
目次
オーダー内容
ざっとまとめると・・・
こんな感じでオーダーしました。
ZerbinoではAMFステッチ、天然(本水牛/ナット/貝)ボタン、キュプラ素材の裏地、襟ヒゲ、1枚襟がすべて標準仕様となっていますので、どのラインで仕立てても高級感のある仕上がりになります。
加えて今回はラグジュアリーラインを選択しているので、総毛芯で、アイロンワークもプレス機に頼らず職人の手作業で行われています。
気になる価格については、ラグジュアリーラインかつダブルブレストということもあり、¥86,400!
選んだTollegnoの生地の素材がシルク50%、カシミア50%ですし、さらにラグジュアリーラインの圧倒的な着心地の良さを加味すると、決して損はないと思います。
タリアトーレやラルディーニあたりのイタリアのブランドと比べても、正直Zerbinoのラグジュアリーラインに軍配が上がりますね。
ちなみに今回は完全に私服用ですので、生地もベージュで、ダブルブレスト、ポケットもパッチポケットで仕立てています。
形や生地は私服用とはいえ、仕立ての良さ等についてはビジネス用でも見るべき観点は同様ですので、本記事でレビューしていきたいと思います。
仕上がったスーツのご紹介!
まずは恒例のブランドの証明(笑)
イタリアのTollegnoの生地です。
シルク50%、カシミア50%ということで、上品な光沢感と艶やかな触り心地がたまりません!
一般的にシルクが50%も入っていると、生地が伸びないのですが、こちらの生地は伸びも良く着心地も柔らか!
Tollegnoさすがです・・・!
正面から見るとこんな感じです。
ダブルブレストのジャケットのオーダーは初めてでしたが、イタリアンな作りをしているため、威厳が出すぎず、それでいてシルク・カシミア生地の上品さが表れていて、とても気に入りました!
ビジネス用だと暗めの落ち着いた色柄しか選ばないので、正直チャレンジングでしたが、案外2~3回着ると慣れます。
横から見るとこんな感じです。
ラグジュアリーラインの特徴として、袖が太目なのですが、モードではなく飽くまでクラシックに着たい私としては問題ナシです。(ここは特にビジネスシーンでも同様)
袖山にシワがありますが、これはサイズが大きいからではなく、マニカカミーチャというナポリ仕立ての仕様でギャザーが入っています。
ビジネスシーンでは避ける方もいる仕様ですが、アームホールの大きさよりも長めの生地を、縮ませながら縫い付けた結果のギャザーなので、着心地の良さにも繋がっています。
ナポリの仕立てについては、まだまだ多くの技術があり、オーダーを100倍楽しむ!王様の仕立て屋に学ぶ本場のナポリ仕立てでご紹介しましたので、気になる方はぜひ!
さて、次に後ろから見るとこんな感じです。
少し凹っとしているように見える部分がありますが、これ、下に着ているシャツの影響を受けているだけで、身体に合っていないことによる大きなシワは出ていません。
私が猫背ゆえのツキジワが薄っすら入りかけているかなぁ~ぐらいですが、気になるレベルのシワにはなっていません。
また、私服ですので、少しこなれたように見せるためにダブルでも前のボタンを留めないで着るというのもイタリアらしい着こなしになります。
さて、もう少し細かいところを見ていきましょう。
襟は前述の通り一枚襟でした。
襟の作りは首の吸い付きに直結する為、アイロンでじっくり人の首の形に合うように曲げる工程が必要です。
一枚襟で仕立てている場合は、そのアイロンワーク工程をしっかり行った贅沢な作りで、首(正確には第7頚椎)に吸い付きも良好。
比較的重めの生地を選んでも重さが分散される為、疲れにくくなります。
【2019/7/3追記】ちなみにですが、ZERBINO自体が同じ生地でジャケットを仕立てたようで、ブログにアップされていました!
(出典:https://www.zerbino.info/blog/2019/07/26868.html)
私が撮ったものよりカッコよく、ジャケットの良さが伝わりますね(笑)
オーダー時のポイントとゼルビーノの位置付け
さて、ZERBINOのLuxury Lineの特徴とオーダー時のポイントをお話します!
ZERBINOでは複数の仕立てのランクがありますが、ここではZERBINOとして提供している最高峰のラグジュアリーラインの特徴を掴みましょう。
まず、良いスーツとして押さえるべき重要なポイントは①フィッティング、②生地、③仕立ての3つです。
ゼルビーノはいずれにおいても優れていますが、特筆すべきは③の仕立ての良さでしょう。
詳細は後述しますので、まずは①のフィッティングからご説明します。
ゼルビーノはパターンオーダーを採用していますが、一般的なパターンオーダーと比べると調整できる箇所が多くあります。
②生地については、店舗に出ていないものを含めると1億種類ほどあるそうで、ビジネスシーンに適したものは勿論、私服用に遊びのきいたものまで揃っています。
今回はまさに私服用のジャケットとしてのオーダーですね。
生地の価格については、今回のように仕立てのランクをラグジュアリーラインにした場合、+¥30,000(スーツの場合は+¥40,000)となるので、ホイホイとは買えなくなります。笑
③の仕立てについては工程別(採寸⇒型紙選出&微調整⇒カッティング⇒縫製&アイロンワーク)にもう少し詳細に見ていきましょう。
採寸については、一般的なパターンオーダーと比べると採寸箇所が多く、丁寧です。
あまりオーダー経験がない場合には、クレームの原因になるのでそこまで多くの提案はしないそうですが、オーダー初心者でもしっかり提案してもらえます。
詳細にこだわり無ければ、「ビジネスシーンで利用できるもの」ということだけ頑なに主張すれば充分です。
次に、型紙選出&微調整については。パターンオーダーの宿命ですが、既に用意されたものから選ぶことになります。
フィッティングで語った通り、調整できる箇所は一般的なパターンオーダーよりも多いです。
オーダーを100倍楽しむ!王様の仕立て屋に学ぶ本場のナポリ仕立てでもご紹介したようなナポリ仕立ての技術も見られ、依頼すればダブルのモーニングカット等もラグジュアリーラインでは可能です。
生地のカッティングは、パターンオーダーの為、採寸結果に合わせて規格通りに裁断されます。
フルオーダーで技術あるカッターが対応する場合は、人間の身体の動きや体型の変化も勘案した裁断を行いますが、そういったことはさすがに期待できません。
縫製は今回のラグジュアリーラインの場合は、マシンメイドが基本ですが、国内最高峰の工場で作られています。
他のテーラーと圧倒的な差をつける着心地の良さで、10万以下でこのクオリティはなかなかお目にかかれないでしょう。
アイロンワークについては、一枚襟を採用していることからも分かる通り、手間をかけており、職人による手作業で実施されています。
副資材も総毛芯でありながら、軽く柔らかなもので、着心地を全く損なわない仕立てとなっています。
・・・というわけで、ゼルビーノのラグジュアリーラインの特徴をまとめると、
かなと思います。
ゼルビーノのラグジュアリーラインはどんな人向き?
「身体に合ったスーツ」をMezzoforte Loungeの大きなテーマとしてきましたが、そこに着ている本人の着心地という次の世界を見せてくれるのが、このラグジュアリーラインです。
ラグジュアリーラインにした時点で+¥30,000〜40,000となるので、生地価格と併せると7万弱は最低でもしてしまいますが、そんな価格では本来実現できないクオリティを体感できます。
ラルディーニやタリアトーレ、チルコロ等のイタリア系のブランドが人気を博していますが、そういったブランドにも劣らない(というか正直勝ってる)素晴らしい仕立てとなっています。
そういったことを踏まえ、ゼルビーノのラグジュアリーラインに向いている人を挙げるとすれば、
かなと思います。
個人的には、ビジネス・プライベート用のジャケットやパンツは全てここで良いんじゃないかというレベルで気に入っています!が、それではここでレビューが終わってしまいますよね(笑)
今後も積極的に様々なテーラーでオーダーして、ご紹介したいと思いますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録やTwitterのフォロー、noteの応援を宜しくお願いします!