センスなんてクソくらえ!論理で即決可能なネクタイ選択と見極め


ビジネスシーンで唯一ある程度の個性が許される箇所でもあるネクタイ。

とはいえ、何を選んだらいいかイマイチ分からないという方も少なくないように思います。

親友から「ネクタイってどうやって選んだいい?」という質問されたことから、これはちゃんと整理してみてもいいかもと思い、記事化しました!

目次

押さえるべき3つの大論点

基本的に押さえるべきことは、優先順位の高い順に以下3つです。
①ビジネスシーンに適しているか?
②着ているスーツと合うか?
③ネクタイ自体が良質か?

メゾフォルテラウンジ(Mezzoforte Lounge)では、ビジネスシーンでのスーツスタイルについて、論理的に解を出すことを主要な目的としているので、①を最優先に置いています。

私服で使いたい場合は、①は無視していただいても構いません。というか極論「好きな物使ってください」とすら思っています(笑)

①ビジネスシーンに適しているか?

これは、主にネクタイの素材が判断材料になります。

繰り返しにはなりますが、ネクタイは、個性の出しにくいビジネスシーンのスーツスタイルにおいて、唯一個性が出せる場所。一方、当然のことながら節度は求められます。

「ネチネチと日本っぽいな」と思われるかもしれませんが、別に日系に限らず、たとえば外資系の金融機関等でも若手のうちは、悪目立ちは避けるべきとされています。

厳密にどの柄だとOKで、どこからがダメだという規程があるわけではないものの、パッと見の印象で余計なイメージを与えない順でを並べると以下のようになります。

  1. 無地(ソリッド)
  2. 水玉(ドット)
  3. 小紋柄
  4. レジメンタル(ストライプ)
  5. チェック
  6. ペイズリー
  7. 幾何学柄
  8. 動物やキャラクター等のデザイン

もちろん、人によって感じ方はまちまちなので、多少前後する部分はあるでしょうが、無地がベストで、動物やキャラクター等のデザインがワーストなのは確実です。余計な印象を避けるのであれば、無地で良いでしょう。

素材については、シルクやウール、合成繊維等がありますが、ビジネスシーンにはシルクが最適です。(ちなみに心配しなくとも大半のネクタイはシルク製)

シルクの質については、細かく言うと「なよなよせず、弾力がある」、「握ってできた生地のシワがすぐ消える」、「人工的なかさつきが無い」等のチェックポイントがありますが、ぶっちゃけ一般人が識別するのは不可能だと思います。

なので、シルクの質までは、さすがに気にしなくても良いでしょう。

②着ているスーツと合うか?

これはさらに2つの小論点に分解できます。

一つは、「色合わせ・柄合わせ」。
【参考】え、まだセンスに頼ってるの?論理で再現できるスーツの着こなし

もう一つは、「ネクタイの幅」です。
【参考】意外と知らない?スーツを着る上での基本

まずは、色合わせについて。シンプルに考えれば非常に簡単な一方、深く考え始めると、どこまでも難しい箇所です。

合う色については、中高生の美術でも習った色相環で論理的に導くことができます。

(出典:https://acctpro.co.jp/archives/1110)
すごく簡単に言うと、隣合っている色(同系色)や、反対色・補色は合うよ、というだけです。

ちなみに白とグレーは、この色相環にないですが、基本的に何とでも合わせられるワイルドカードです。

さて、ビジネスで着るべきスーツは、ネイビーかグレーに限られますし、ワイシャツも基本的には白か淡いブルーです。

とすると、色については以下の組み合わせで話は済みますね。

そして柄合わせについて。柄は増える程に主張が強くなりますし、「ファッションセンス」という謎の領域に突入します。

ファッションセンスというのは、一般人を混乱に陥れる魔の言葉なので、飽くまで論理に則して決められる範囲に拘るのが重要。原則、スーツスタイルの柄は1つにしておきましょう。

メゾフォルテラウンジ(Mezzoforte Lounge)では、ビジネスシーンのスーツとして、基本的に無地かシャドーストライプ(折柄でストライプに見せているもの)をオススメしています。

【参考】素材・柄からイギリス・イタリア生地まで!スーツ生地の特徴と違い

シャツは白なら無地かストライプ、淡いブルーなら無地をオススメしています。

なので整理すると、基本的には以下のスタイルであれば問題ありません。

ただし、シャドーストライプスーツに関しては、ちょっとだけ特殊で、そこまで柄の主張が強くないので、ネクタイは柄にしても良いかもしれません。
※シャツをストライプにすると、ネクタイが無地でも主張が強くなってしまう場合もあるので、飽くまでシャドーストライプに柄で合わせるのは、ネクタイのみにしました。

色柄を分けて考えるのがめんどくさい方向けに、色柄を併せて整理しました(笑)

※★については、前述の特殊ケースなので、心配な場合は避けてください。

こう見ると、グレー無地スーツってめちゃくちゃ万能ですね!笑

ちなみに「好きな色って言われてもわかんないよ!」という方は、色が与える印象をベースに選んでみると良いでしょう。

(出典:https://www.hitachi-solutions.co.jp/ column/tashinami/color/index05.html)

③ネクタイ自体が良質か?

最後の大論点ですが、ココは優先度は低め。こだわりたい方向けになります。

こちらは以下2つの小論点に分解できます。

  1. 結び目がほどけにくく、ディンプルが綺麗に保てるか?
  2. 胸元のボリュームをキレイに出せるか?

1つ目の「結び目がほどけにくく、ディンプルが綺麗に保てるか?」については、ネクタイの製造にあたり、どの程度引っ張られる力をどれくらい想定してるかという話です。

ハンドメイドのネクタイだと、甘めに縫って作られているので、ギュッと結んだ時にもしっかりネクタイが伸びたまま保たれます。

この場合、長時間着用していてもディンプルが崩れずに、仕事中何度も結び直す必要がなくなります。

一方、マシンメイドでがっしりと縫われてしまうと、ギュッと結んでも元に戻ろうとする力が働くため、時間経過に応じてネクタイが緩んでいってしまいます。

もちろん、マシンメイドだからすべてダメだというわけではないですし、実際に長時間着用してみないと気付きにくい箇所ではありますが、こういった傾向があることは押さえておくと良いでしょう。

次に「胸元のボリュームをキレイに出せるか?」についてです。こちらはちょっと厄介。

キレイに結べればそもそも普通のネクタイでも、ボリュームは演出できます。が、そもそもネクタイの作りからボリュームを出しやすいものを選択するというものです。

通常のネクタイは生地を3つ折りにして作られているのですが、7つ折りで作られた「セッテピエゲ」という仕様があります。

セッテピエゲは、伝統なモノでは芯が無い場合もあり、慣れないと結びづらいこともありますが、キレイに胸元のボリュームが出るため、着用するとかなりスタイリッシュに見えます。

しかしこのセッテピエゲ、ハンドメイドでしか作れないため、型紙や作りにこだわりが詰まっており、非常に高価になる場合が多いです。予算に余裕のある場合には、検討してみても良いでしょう。

爆速!無思考でも論理的な解を出せるネクタイ


いろいろ書きましたが、毎朝こんなこと考えたくない!という方もいらっしゃいますよね?そんな方のために、ネクタイ側からのアプローチを纏めました。

結論、無地ネイビー・ブラウン・グレーの3本を持っておきましょう。上図の通り、スーツやシャツが何であれ基本的に、相性の良いものが選べます。

シャツにストライプがある場合には、スーツの選択肢が絞られるので、面倒な方はネクタイだけでなく、シャツも無地で揃えてしまえば、朝何も考えずとも論理的に正しい組み合わせの選択が可能です。

地味に感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、それぞれ生地の良さが引き立つので、むしろこのスタイルこそ、お金の掛け甲斐はかなりあるでしょう。

・・・さて、こんなところでした!

今後も、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録Twitterのフォローnoteの応援を宜しくお願いします!

豆知識
スポンサーリンク
Mezzoforte Loungeをフォローする
関連記事
関連記事
Mezzoforte Lounge -論理的に一流のスーツスタイルへ-