素材・柄からイギリス・イタリア生地まで!スーツ生地の特徴と違い


(出典:http://dankan.co.jp/order-flow/)
スーツ選びの際、重要な事項の1つが「生地」。パット見の印象を大きく左右することは感覚的にも理解できるかと思います。

これまで、色や柄については、あなたはなぜ残念なスーツを購入してしまうのか?一流を作るスーツとはにて、落ち着いた色のネイビーやグレー、落ち着いた柄の無地やシャドウストライプ、ピンストライプとご紹介しましたが、それって具体的にどんな柄なんだろう・・・という方も少なくないかと思います。

そこで今回は、主要なスーツの生地をまとめてご紹介します!

ぜひスーツ選びの際に参考にしてみてください。

目次

まずは素材!ウール/シルク等の天然繊維と合成繊維の整理

スーツの生地にはウール、シルク、ポリエステル等・・・いろいろあって違いがわかりづらいですよね。

そこで、よくある素材を下図①にまとめました!

(図①スーツの素材と特徴)

大きく分けると素材には、天然繊維と化学繊維があります。

天然素材としてはウールやシルク、化学繊維にはポリエステル、ポリウレタン、ナイロン、レーヨンなどがあります。

ウールは伸縮性や弾力性、耐久性、保湿性、吸湿性が高く、シワになりにくい等の特徴があります。

また肌触りも良い為、ウール100%のスーツにはメリットが多くあります。

一方で虫がつきやすく、縮みやすい点には注意が必要です。

シルクは吸水性、保温性、通気性が高い、軽い、肌触りが良い等の特徴があります。

また上品な光沢がある為、シルクの混ざったスーツには上質さが感じられます。

一方で、摩擦に弱く、紫外線で黄変する等ナイーブな取り扱いが必要なことに留意しましょう。

ポリエステルは弾力性、耐久性が高い、軽い、乾きが早い、シワになりにくい等の特徴があります。

また上質さではシルクに劣るものの、安価に光沢感が得られる為、リーズナブルなスーツに用いられることも良くあります。

一方で、静電気が起きやすく、吸湿性が低い点には注意しましょう。

ポリウレタンはゴムのように弾力性や伸縮性がある為、動くことの多い外回り営業の方に向いた素材です。

一方でポリウレタンが混ざると劣化も早くなる為、スーツとしても消耗品としても側面があります。

また、高級感もあるわけでもない為、スーツの生地として選ぶ際には利活用シーンを想定した上で購入しましょう。

ナイロンは伸縮性、耐久性が高い、シワになりにくい、乾きが早い、軽い等実用性に特化した特徴があります。

一方で静電気が起きやすい、熱に弱い、吸水性が低い、紫外線が黄変する等には注意が必要です。

レーヨンは絹(シルク)を目指して作られた合成繊維の為、肌触りが良く、光沢があります。

これらに加えて吸湿性も高い一方、水濡れで強度低下することや、縮みやすいこと、シワになりやすいこと等には留意しましょう。

見た目にも分かりやすい柄の種類の整理

次に冒頭にも触れた柄の種類の整理です。

これで、シャドウストライプやピンストライプという言葉に惑わされる心配もありません!

ピンストライプ


(写真①ピンストライプ)
ピンストライプとは、その名の通りピンのような細かい点を連ねて作られた縦縞でストライプを表現した折柄です。

伝統柄である為、きちんとした印象を与えます。

チョークストライプ


(写真②チョークストライプ)
チョークストライプ、こちらもその名の通りチョークで書いたようなかすれた線のストライプです。

起毛した生地等、比較的柔らかい生地に多く用いられます。

シャドーストライプ


(写真③シャドーストライプ)
シャドーストライプとは、同じ糸の撚りの方向を右撚りのものと左撚りのものを組み合わせることによって表現されたストライプです。

一見すると無地ように見える為、落ち着いた柄としてビジネスシーンにも向いたストライプです。

ペンシルストライプ


(写真④ペンシルストライプ)
ペンシルストライプとは、鉛筆で書いたような太さの線で表現されたストライプです。

オルタネイトストライプ


(写真⑤オルタネイトストライプ)
オルタネイトストライプとは、交互に太さや色の異なる線の配列で構成されたストライプです。

ビジネスで着用したい場合には、色が派手にならないように注意しましょう。

ハウンドトゥース


(写真⑥ハウンドトゥース)
ハウンドトゥースとは、その形から「猟犬の牙」と表現される柄です。日本では千鳥格子とも呼ばれます。

エレガントかつクラシックな印象を与えます。

多くの場合、白x黒や白x茶といった組み合わせで織られています。

グレンチェック(グレナカード・チェック)


(写真⑦グレンチェック)
グレンチェック(グレナカード・チェック)とは、千鳥格子柄と、数本の縦横の線で構成された格子を組み合わせた柄です。

特に上の写真のように青の格子のものをプリンス・オブ・ウェールズと読んだりもします。ウェールズ公(エドワード7世)が好んでいることが別称の由来です。

ウィンドウペーン


(写真⑧ウィンドウペーン)
ウィンドウペーンとは、その形から「窓枠」と表現される直線が縦横垂直に交差したシンプルな格子柄です。

ヘリンボーン


(写真⑨ヘリンボーン)
ヘリンボーンとは、その形から「にしんの骨」と表現される斜めの織柄が魚の骨のように並んでいる柄です。

グレーではある程度の距離で折柄が見えますが、基本的に遠目では無地に見えます。

シャークスキン


(出典:https://www.suit-ya.com)
シャークスキンとは、その形から「鮫肌」と表現される縦横異なる糸によって織られ、折り目や側を見せる柄です。

遠目では無地にも見え、伝統的な柄でもある為、ビジネスシーンでの活用はもちろん、スリーピースとの相性もバッチリです。

イギリス/イタリア/日本の生地の違い

生地の素材や柄を押さえたところで、最後に産地による違いです。

生地の産地としてはイギリスとイタリアが代表的であり、それに加え日本では国産の生地も多く見るかと思いますので、それらの違いについてご紹介します。

イギリスの生地は一般的に硬く、ザラザラした触り心地になります。

また、日本と似てジメジメとした気候のイギリスにおいてもスーツがヘタらない様、しっかりと作られている為、耐久性とハリがあります。

一方で光沢感はあまりないのも特徴です。

仕立て屋からすると思った形になる仕立栄えのする生地だともされています。

イタリアの生地は一般的に柔らかく、ツルツルした触り心地になります。

カラっとした気候のイタリアでは、湿気を強く気にかけなくても良く、そしてその軟派な国民性もあって、イギリス生地ほどの耐久性はないものの、一見しても分かる艶や着易さがあります。

その瞬間を大事にするイタリアらしさが生地にも表れています。

日本の生地は気候が似ていることもあり、一般的な傾向としてはイギリス生地に近いとされます。

ただし、その時々のトレンドに合わせてイタリアに寄せたり、イギリスに寄せたりと工夫を凝らしているそうです。

生地はスーツの表情を大きく左右する部分で、相手に与える印象を大きく変えてしまいます。

たかが印象ですが、その「たかが」の積み重ねがあなたの今後を大きく左右するかもしれません。

上手く活用し、より成果の出せるビジネスパーソンへの一歩を踏み出しましょう!