地味な立ち位置も、隠れた高コスパ店!仕様と価格から見たテーラーフクオカでのオーダースーツ考察


(出典:https://www.tailor-fukuoka.com/shop/)
銀座や青山、新宿、吉祥寺等に店舗を構える1954年創業の老舗テーラー、Tailor Fukuoka(テーラーフクオカ)をご存知でしょうか。

実はMezzoforte Lounge(メゾフォルテ ラウンジ)でよくオススメしているZerbino(ゼルビーノ)の姉妹店。ゼルビーノよりも、よりビジネス仕様のものが取り揃えてられている一方、仕立てや型紙もゼルビーノ程は差別化ができていないように感じます。

しかし、実際にスーツを着てみると、一般的なテーラーよりは着心地も良く、生地価格も抑えられているため、隠れた高コスパ店とも言えるでしょう。あまりコストパフォーマンスという言葉は、好きではないのですが、あまり独自性や色が無いため、つい(笑)。

今回はテーラーフクオカでのスーツのオーダーを徹底解剖したいと思います。

目次

スーツのオーダーの分類は「イージーオーダー」


テーラーフクオカでは、CADに登録されたベースとなる型紙から縦・横幅調整し、あなた用の型紙を作成する「イージーオーダー」を採用しており、縫製はマシンメイドです。

ゲージ服というサンプルとして用意されてた服を着て、採寸結果に合わせて調整していきます。また、なで肩や猫背などの方向けの体型補正も行われます。

パターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダーの違いや詳細が気になる方は、仮縫いの有無は無関係!もう騙されないパターン/イージー/フルオーダーの分類にまとめましたので、是非ご覧ください。

テーラーフクオカの仕様とモデル紹介


(出典:https://www.tailor-fukuoka.com/suits/model.html)
テーラーフクオカでは仕立てのランクに応じでモデルが複数用意されています。

標準の仕立てである「スタンダードライン」では5種類、高級仕立ての「プレステージライン」では3種類のモデルがありますが、ほとんどが工場が用意しているものですので、実質テーラーフクオカ独自のモデルは、1種類のみです。

それぞれのモデルの写真イメージは公式サイトでご覧ください。

スタンダードライン
こちらは標準の仕立てのため、追加料金等なく、生地の価格のまま誂えることができるモデルです。

ゼルビーノと同じ会社が運営しているものの、ゼルビーノとは異なり、裏地キュプラやAMFステッチ、水牛ボタン等が標準装備されていないため、一般的なテーラー同様オプション料金が発生してしまいます。

着心地等は後述しますが、襟も一般的なテーラー同様、二枚襟となります。

  • Neo(ネオ)
  • Classico(クラシコ)
  • Slim(スリム)
  • British Trad(ブリティッシュ・トラッド)
  • Comfort(コンフォート)
  • プレステージライン
    こちらは高級仕立てのため、生地代に加え仕立てに+¥20,000(ジャケット単品だと+¥15,000)が発生します。こちらの場合、裏地キュプラ、AMFステッチは標準装備となりますが、依然水牛ボタンは追加料金となってしまいます。

    また、テーラーフクオカが独自にこだわって開発したモデル「オーセン」は一枚襟となっていますが、その他のモデルは飽くまで二枚襟。・・・残念。

  • Authem(オーセン)
  • Beau(ボウ)
  • Charles(チャールズ)
  • テーラーフクオカで選べる生地と価格


    (出典:https://www.tailor-fukuoka.com/site/brand/)
    それでは生地についてです。店舗に数多く生地が並べてありますので、実際の手触りを感じながら選ぶことができます。

    価格帯も分かりやすく公式サイトに一覧化されています。

    こちらにも記載しておきますね。

    • 国産生地 ¥32,000〜36,000
    • 国産生地(高品質) ¥38,000〜42,000
    • TraveLook(トラベルック) ¥42,000〜
    • Morabito(モラビト) ¥46,000〜
    • SORRISO(ソリソ) ¥46,000〜
    • Stella Biella(ステラビエラ) ¥46,000〜
    • John Foster(ジョンフォスター) ¥46,000〜
    • Pierre Cardin(ピエール・カルダン) ¥52,000〜
    • Zignone(ジニョーネ) ¥52,000〜
    • Tollegno(トレーニョ) ¥56,000〜
    • Col Salto(コル サルート) ¥58,000〜
    • Quaregna(クアレーニャ) ¥60,000〜
    • CANONICO(カノニコ) ¥64,000〜
    • Clissold(クリソルド) ¥64,000〜
    • REDA(レダ) ¥64,000〜
    • DORMEUIL(ドーメル) ¥79,000〜
    • Carlo Barbera(カルロ・バルベラ) ¥79,000〜
    • DRAGO(ドラゴ) ¥79,000〜
    • Guabello(ガーベロ) ¥79,000〜
    • ENZA(エンザ) ¥86,000〜
    • SCABAL(スキャバル) ¥86,000〜
    • Loro Piana(ロロピアーナ) ¥86,000〜
    • LANVIN(ランバン) ¥98,000〜
    • Ermenegildo Zegna(ゼニア) ¥108,000〜
    • Dunhill(ダンヒル) ¥128,000〜
    • Fintex of London(フィンテックス) ¥128,000〜

    テーラーフクオカでカスタマイズできる箇所と価格

    さて、生地を選んだらデザインです。袖ボタンは並びつけ、重ねつけはもちろん、本切羽も+¥2,000で対応頂けます。

    ポケットについてもノーマル、スラントはもちろん、チェンジポケットも+¥1,000で対応頂けます。

    ベントはセンターベント、サイドベンツ、フックベント、ノーベントから選ぶことができます。

    裏地も総裏、背抜きだけでなく+¥4,000で半裏も選択できます。

    スリーピースにしたい場合は、選んだ生地に応じて¥12,000〜15,000でベストが作れるとのことでした。

    そんなテーラーフクオカですが、納期は4週間程度とのことです。

    「俺評価。」は?


    非常に分かりづらい評価となりましたね・・・笑

    まずスタンダードラインについては、着心地「低」とも「中」とも言いづらいところ。モデルによっては厚めの芯地を使う場合があるため、少しガッシリ感じますが、かといってこれまで「低」としてきたテーラーのスーツよりは肩や腕の可動がラクです。

    10万以内であれば、「イチオシ」と「不要」の狭間で「良し」程度に捉えるのが良いかなと思います。一方、10万を超える場合には、「不要」との判断で問題ないかと思います。
    ※ただし、裏地キュプラや水牛ボタン、AMFステッチ等がオプションとなっていることもあり、こういった個人的に最低限必要だと考えている仕様を揃えると生地価格よりも高額になってしまう点には留意が必要です。

    また、プレステージラインについても、モデルによってやや評価が異なるところ。

    ボウモデルは物理的に軽い作りになっているため、着心地は良く感じやすく、7万以内なら「イチオシ」、7万~10万なら「良し」、10万以上なら「不要」です。

    オーセンモデルは、スーツ然として構築的ながらも、7万以内なら「イチオシ」、7万~10万なら「良し」、10万以上なら「不要」です。

    チャールズモデルは、芯材のカタさもあり、好きな方でないと着心地の面では劣るかもしれません。そういった意味で、10万以内であれば、「イチオシ」と「不要」の狭間で「良し」程度に捉えるのが良いかなと思います。一方、10万を超える場合には、「不要」でしょう。10万以上かけられて英国調が好きなのであれば、他テーラーでより良いところがあります。

    評価方法の詳細については9割の人はテーラー選択ミス?「俺評価。」はじめましたをご覧ください!

    都心に店舗を構えるテーラーフクオカ!

    テーラーフクオカは銀座、青山、新宿、吉祥寺に店舗を構えています。姉妹店のゼルビーノがあるところには、すべて店舗がありますね。

    ここまで見て、ある程度気持ちは固まってきたけど、本当にテーラーフクオカだけ見て決めていいのか?という方もいるのではないでしょうか。

    実店舗と違い「やっぱり止めた」という意思決定がしやすいように体型の悩みをバッチリ補正!東京のイージーオーダースーツ店まとめで各店舗を整理しておきました。しっかり比較検討してみてください!

    今後も、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録Twitterのフォローnoteの応援を宜しくお願いします!