【レビュー】ユニクロともマッチ!Sato Tailorで私服出社に合うコットンスーツをオーダーした感想


(出典:https://henryandsmith.com/decoding-how-to-pair-green-pants-for-men/)
お久しぶりにはなりますが、先日のBespokemanのソラーロスーツに続き、バリバリのビジネススーツからは離れてみたシリーズです!

ソラーロスーツは、趣味としてのスーツでしたが、今回は必ずしも趣味レベルでスーツが好きでなくとも、カジュアルな私服として着ることを意識しました。

ちなみに、ゴリゴリのビジネススーツが好きな皆さま、ご安心ください。来春~来夏には、ゴリゴリのビジネススーツのオーダーが既に決まっております(笑)

生地としても、なかなかお目にかかりづらいレアものが控えておりますので、こちらもご期待ください。

目次

今回のメインテーマは、私服出社

先日、某リ●ルートの友人S氏と話していた際に、「スーツ自体は好きで、オーダーもしたのに、会社だとあんまり着れない」ということを聞きました。

スーツを着ていると浮くとのこと。たしかに、媒体営業やエージェントでなければ、私服勤務ですからね。

加えて、ベンチャー企業勤務の友人W氏に、「カッチリし過ぎたくないけど、なんだかんだジャケットは合った方が締まる」ということも言われました。

これはもう、私服出社の企業でも比較的着やすいスーツ(セットアップ)をテーマにするしかないでしょう(笑)

ちょうど、5万円台オーダーで人気の高いSato Tailorも気になっていたところだったので、お店はこちらに!

諸々「ぶっちゃけどうなの?」という所を明確にしますので、私服出社で同じ悩みを抱えている方、Sato Tailorが気になっている方、それぞれお楽しみいただければ幸いです。

ちなみにSato Tailorの「俺評価。 」が気になる方は、5万円台スーツが強い!仕様と価格から見たSato Tailorオーダースーツ考察をご覧いただければと思います。

それでは、始めましょう。

オーダー内容

誂えたスーツをざっとまとめると・・・

  • モデル:ナポリモデル
  • 基本形:3つボタン段返り
  • 生地:ブリスベンモス(コットン素材)
  • ラペル:ノッチド 9cm
  • ポケット:パッチポケット
  • ベント:サイドベンツ
  • 袖ボタン:4つボタン
  • 裏地:総裏

こんな感じでオーダーしました。

気になる価格は、¥ 62,150!いろいろとオーダーしてきているせいで、感覚マヒしているところもあるかもしれませんが(笑)、お手頃価格です。

私服出社の企業でも比較的着やすいスーツということで、コットン素材のカジュアルなものにしてみました。これなら上下揃ったセットアップとして着てもカッチリし過ぎませんね。

上下揃ってるだけでも、「なんかいかにも感がある!」という方でも大丈夫。上下別々に着れますし、なんならユニクロと合わせても着れることを意識してオーダーしました!

仕上がりの写真

まずは上下揃ったセットアップで、いつも通り正面・横・背面の紹介をしますね。


オーソドックスに白のワイシャツを着て、ネクタイも締めたスタイルです。コットンのため、ややシワを感じやすいですが、特に変なシワが出ているわけではありません。

セットアップにしても、素材はコットン、色オリーブグリーン。いやー、既にカッチリしたビジネスシーンでは、まず着れませんね(笑)

スラックスについては、やはり左の脹脛の張りがカバーできていませんね。私の脚が左だけ外側に太いことがハッキリと見えてしまいます。正直Sato Tailorではココをカバーするのは難しいだろうなとは思っていたので、想定通りと言えば想定通りです。

テーラー別の脹脛の張りの隠し度合いは以下の記事で紹介しているので、気になる方は是非。ちゃんと悪い箇所を隠してくれたビスポークマンやゼルビーノのラグジュアリーラインは凄い。

【参考】【レビュー】サヨナラ実用性。Bespokemanでソラーロスーツをオーダーしてみた感想


横からです。カタめの生地の割には背中のS字があまりキレイではないように感じます。

また、肩の前方にシワが入っているのは、可動時に私の前肩に対していせ量が足りていないことが起因しているのでしょう。やはり肩をグッと前に食い込ませた型紙や、通常よりかなりいせ量の多い仕立ての良い工場でないと、そこまでは期待できません。


背中については、まさに生地のカタさが表れているというか、ピシっとしていますね(笑)

おかげでよく出るツキジワも今回は出ていません。

さて、もう少し細かいところを見ていきましょう。

恒例の生地ブランドの証明。

英国生地ブランドのブリスベンモスです。目付が400g超えしているコットンですので、着心地はコートに近いです(笑)

襟は二枚襟で仕上がってきます。

Sato Tailorでは、ナポリモデルを選んだ場合は二枚襟が標準仕様です。(ただしミラノモデルやジェノバモデルの場合は、一枚襟になります。)

一枚襟と違い襟を殺す技術がなくて済むので簡易というのもそうですが、まぁそもそも今回の生地については、かなり厚手のコットンですので、ウール生地と比べると、アイロンで襟を湾曲させるのが難しいのは事実。

変に一枚襟で仕上げてしまうと、襟にピリジワと呼ばれる細かく波打った細かいシワができてしまうんです。そのため、ビスポークかよほど技術がある工場でない限りは、二枚襟の方がむしろキレイに仕上がるように思います。

パンツについては、ビスポークマンの時に続き、今回もまた尾錠をつけてみました。

ツータックと相俟ってクラシカルな雰囲気が気に入っていますが、別に着心地等には全く影響しない趣味の範囲です。

もう少しカジュアルに着ると?

さて、今回のメイントピックである「私服出社OKな会社で着るスーツ」。

まずは、セットアップのまま、ユニクロの「エアリズムコットンオーバーサイズTシャツ(5分袖)」と合わせてみました。

いかがでしょう、一気にベンチャー感が出た気がしませんか?笑

ノージャケットでのTシャツやパーカーを着用するよりは、しっかり見える一方、色もミリタリー感があるため、畏まり過ぎません。

もう少し締まった感じにしたければ、シャツをタックインしても良いかと思います。

当然ですが、こちらの方が脚が長く見えますね。

スーツを着る時には、ワイシャツをタックインして着ている方が大半だとは思いますが、着方として理にかなっているわけです。

余談ですが、ユニクロのオーバーサイズTシャツは、Lサイズを着用しています。普段Sサイズの私でLなので、基本的に2サイズ上ぐらいでちょうど良いかと。


次にジャケットのみ残して、ユニクロの「エクストラファインメリノタートルネックセーター(長袖)」と「レギュラーフィットテーパードジーンズ」と合わせた場合です。

こちらは私服出社はもちろん、土日の私服としても使いやすいのではないでしょうか。

ジーンズについては体感だともう少し太いのかと思っていましたが、写真で見ると、しっかり裾に向かって細くなっていて、シルエットがキレイです。ユニクロ侮れない。

デニムパンツについては勿論、以前紹介したデニムスラックスに替えても良し!というかデニムスラックスの方がオーダーしているだけあって、正直カッコよかったです。


今度はパンツのみ残して、ユニクロの「エクストラファインメリノニットポロシャツ(長袖)」と合わせた場合です。ジャケットがないと、カーゴパンツのような印象になりますね。

カジュアルは、必ずしもメゾフォルテラウンジ(Mezzoforte Lounge)のカバー範囲ではないので、詳細触れませんが、デニムジャケットやライダースジャケット等合わせられる物も多いので、様々に着まわせます。

とはいえ、今回のニットポロシャツは、もうちょっとサイズが大きくても良かったかもしれません。胸あたりがやや気になり、ハラスメントになりかねません・・・。

オーダー時のポイントとSato Tailorの位置付け

さて「私服出社でも着れる」なんなら「私服として着れる」点をご紹介してきましたが、今度は今回オーダーしたSato Tailorにより強くスポットライトを当てていきます。

良いスーツを作る上で押さえるべき重要なポイントは、①フィッティング、②生地、③仕立ての大きく3つあります。

それぞれについて、もう少し詳細に見ていきますね。

①フィッティングについては、採寸と調整幅に分けられます。

Sato Tailorの採寸は、特に簡略化されてると感じるわけでもなく、逆にこんなところまで!?と驚きがあるわけでもなく、標準的でした。

調整幅については、正直どパターンと言われるだけあって、いじれない箇所もちょこちょこあります。例えば、イージーオーダーではたまにある袖のパーツを付ける角度を変えること等はできません。

とはいえ、股上・膝幅・裾口幅あたりはいじれたので、若者用のような細すぎシルエットにもならずに済みました。

②生地については、バンチブックが基本となります。現物生地を並べているわけではないため、柄々しい生地を選ぶ際には、素人目では仕上がりイメージがつきにくい嫌いがあります。

が、多くの場合は、シンプルな無地がストライプを選ばれるかと思いますので、そこまで心配しなくても良いでしょう。

また、CANONICOやREDA等の特定のブランド生地については、5万円とかなりお得にオーダーできることもポイント。同ブランドを同様の価格でオーダーできるテーラーは、大抵仕上がりがヒドいですが、Sato Tailorではそういった心配はありません。

③の仕立てについても詳細に見ていきましょう。

パターンオーダーですので、「型紙」は既に用意されたものがベースになります。

この「基本の縫製」は良いとして、Sato Tailorでよく話題になるのが「着心地向上の技術」。5万円台スーツとして、このレベルを絶賛する声も聞ききます。

たしかに、大半のしょぼいテーラーと比べると良いです。しかし、特にスーツに詳しくない方が着ても、他テーラーと比べ大きな違いが感じられる程ではない認識。

正直これまで「俺評価。 」で複数テーラーを回ってきた身からすると価格相応という判断です。同じ価格でより良いものを仕上げてくださる工場もあるため、特別性は感じませんでした。

まず、前述の通り、私のような典型的な日本人の前肩の人向けには、いせ量が足りません。そして、袖付けで腕を付ける角度を回して変えたり等をしないため、ジャケットの前方に肩が当たっていることがどうしても気になります。

柔らかく軽い生地を選ぶ場合には、もう少し気にならなくなるでしょうが、玄人好みの重くカタい英国生地等には向きません。

特徴と対象顧客

Sato Tailorの特徴をまとめると、

  • 詳しくない方が気付く水準でないものの、一般的なテーラーよりは良い仕様
  • CANONICOやREDAを5万円でオーダーするには、うってつけ!
  • かなと思います。

    オーダー経験がない方には、最初の一着としてオススメできます。大半のテーラーよりは良い物を仕上げてくださるので、後悔も少ないかほぼしないかと思います。

    また、メゾフォルテラウンジで紹介している着心地レベルの高いテーラーがお近くにない場合にも、代替案として良いでしょう。

    今後も、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録Twitterのフォローnoteの応援を宜しくお願いします!