スーツ購入の際、既製品であれオーダーであれ、必ず聞かれてしまうのが、パンツの仕上げをどうするか?という質問。
「え、シングル?ダブル?それ何だ・・・」
「クッション・・・?とにかく適当に答えておくか。知らないって言うのもなんだか恥ずかしいし・・・」
「・・・あー、なんでもいいからお任せで!!!」
こんな経験ありませんか?こんな記事を書いていながら難ですが、スーツについて勉強するまでの私はまさにこんな感じでした。
そこで、今回は下半身(=パンツ)にフォーカスして、選ぶ際のポイントをご紹介します。
上半身(=ジャケット)については、意外と知らない?スーツを着る上での基本をご覧ください!
目次
パンツの裾の折り返しの種類
まず、パンツの裾には折り返しのないシングルと、折り返しのあるダブルがあります。
(図① パンツの裾の折り返し)
冠婚葬祭にはシングル、ビジネスにはダブルがベターとされていますが、シングルはビジネスでも使えます!
シングルであってもカッコよく着ることはできるので、特段こだわりがなければシングルを選べば問題ありません。
ちなみにダブルにする場合、最近では折り返しの幅を4〜5cmにするのが主流です。
パンツの丈の種類
パンツの丈についても、オーダーする時だけでなく既製品を購入する時にも確認されます。
(図② パンツの丈の種類)
パンツの丈は靴にどの程度接しているかで呼び方が異なり、
となっています。
パンツの裾幅に応じたオススメの折り返しおよび裾丈
知らないと感覚で選ぶしかない上に、書籍等にあるように「全体のバランスを考えて〜」とか言われても…となる方が大半だと思います。
そこで、まず注目すべきは裾幅!
裾幅については、お店で自分で測りだすと不思議な空気になると思います(笑)
なので、「何cmですか」と店員さんに聞いてしまいましょう。
裾幅に応じた折り返しと裾丈のオススメパターンを纏めましたので、ご参考ください。
(図③ パンツの裾幅に応じたオススメの折り返しおよび裾丈)
パンツの裾幅は21cmを基準にしてください。
21cm未満の細めのパンツの場合は、折り返し無しのシングルで、やや短めの丈のハーフクッション(ハーフブレイク)にした方がスッキリします。
21cm以上の裾幅が広めのパンツの場合は、折り返しはダブルにした方がパンツのラインがスッキリします。(ただし、前述の通り、冠婚葬祭でも着たいスーツの場合は折り返しはシングルでも構いません。)
裾丈については、裾が靴の甲に乗って、一段折れジワができるワンクッションが良いでしょう。
ちなみに裾幅ってどこの事かちゃんと把握しておきたい、という方は、以下の図の赤線部分の長さです。
(図④ 裾幅)
タック(プリーツ)の有無
最後にタック(プリーツ)です。タック(プリーツ)とは、パンツの前側にあるヒダの事を指します。
男性だとなかなか穿くことがないと思いますが、スカートをイメージして頂くと「あの折り目ね」となりやすいかな、と(笑)
ちなみにスラックスでは赤枠の辺りを指します。
(図⑤ タック(プリーツ)の位置)
ウエストが合っているパンツにタック(プリーツ)を入れると、ゆとりが出来、お腹周りがスッキリします。
まず、前提として、本来的にはタックを入れたパンツこそがクラシカルな着こなしだということを押さえましょう。
少し前まで日本国内で細身シルエットのスーツが主流だったため、既製品のパンツはノータックが当たり前でした。
しかし、2018年あたりからクラシック回帰ということで、タックを入れたものが増え始めています。
「え、結局流行りを追わないといけないの?」
うーん、常に追う必要はないですが、メンズのパンツのシルエットは5年スパンぐらいで変動します。
これから既製品のパンツを購入する方やオーダーする方は、ワンタックを選ぶと良いかと思います。前述の通り、普遍の正しいスタイルはタック入りなんです。
一方で、ツータックまでしてしまうと、少し流行に合わせすぎというか、そのうちまた着づらくなるかと思います。
ちなみに流行とは関係なく体型的な特徴だけでいうと、下腹が出てきている方はタック(プリーツ)が1本あるワンタック、細身の方はタック(プリーツ)が無いノータックにするとキレイにまとまります。
今後もスーツに関する基本はもちろん、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録やTwitterのフォロー、noteの応援を宜しくお願いします!