なぜあの人はカッコいいのか?差がつくスーツ・ジャケットのポイント


スーツを選ぶ上で、楽しさやこだわりが出てくるポイントについて纏めました!

この記事はある程度スーツについて知っている方を対象にしています。

基本のキについてはスーツ選ぶ上で一番大事な「身体に合っているか」という点について書いたあなたはなぜ残念なスーツを購入してしまうのか?一流を作るスーツとはをご覧ください。

ブリティッシュ・イタリアン・アメリカン

スーツをオーダーする場合には、必ずといってもいい程聞かれるのが、スーツの基本の型です。

テーラーによって詳細名称は異なるものの、大きくは
・ブリティッシュ
・イタリアンクラシコ
・アメリカントラッド
の3種類に大別されます。

(図①スーツの型の大分類)

大雑把に言うと、ブリティッシュは背が高く、細身の方に合ったスタイル。

イタリアンクラシコは中肉中背の方に合ったスタイル。

アメリカントラッドは、まさにアメリカン、大柄でがっちりとした方に合ったスタイルです。

このうちどれが自分に合うのかは、お店の方と相談したり、自身で試着しながら見つけていくと良いでしょう。

ブリティッシュ

クラシカルなスタイルで、全てのスーツの源流です。

肩パッドが入ることで角ばった構築的なシルエットになる為、胸の厚みを際立たせてくれます。

なで肩で気にされている方はブリティッシュにすることで自身のコンプレックスをカバーしてくれます。

また、ウエストは身体に沿って絞られ、スマートな仕上がりになります。

クラシカルなスタイル故に最もビジネス向きで、ご自身やクライアントが、銀行等のカタい職業であったとしても問題なく対応できます。

イタリアンクラシコ

イギリス発祥のスーツが、カラっとした気候で晴天の多いイタリアに渡り、その国民性もあって、イタリア式に独自進化を遂げたのがイタリアンクラシコです。

ジローラモさんをイメージするとこうした進化も頷ける気が・・・(笑)

イギリスとは打って変わって柔らかく、軽く、セクシーさがあります。

ブリティッシュとは異なり肩パッドが無い為、なで肩の方は、なで肩が強調されます。

しかし、なで肩はそれ自体が悪いことではありません。

ご本人が気にされない限りは、ぜひ試着してみて、気に入ったらチャレンジしてみてください!

イタリアンを味わうなら、本家!ということで、イタリアのブランド・サルトの特徴を全部知ってたら達人!至高のイタリアブランド・最高峰サルト29選!にまとめましたので、ご覧ください。

ナポリの仕立てに関する詳細はオーダーを100倍楽しむ!王様の仕立て屋に学ぶ本場のナポリ仕立てでご紹介していますので是非ご覧ください!

アメリカントラッド

こちらもイギリス発祥のスーツが、合理性を求めるアメリカに渡って独自進化を遂げたスタイルです。

機能性を重視している為、肩パッドは無くし、動きやすいデザインになっています。

また一人ひとりに合ったスーツではなく、大量生産を念頭に生産効率を重視している為、ウエストは絞り込まず、ストレートなBOX型シルエットでゆったり身体を包み込むようなスタイルです。

アメリカントラッドは、1960年代〜1970年代中期に人気になった形で、現在でも40代後半以降の世代には根強い人気を誇ります。

ラペルのデザイン

ラペルの形はノッチドラペルとピークドラペルの大きく2種類に分けられます。

(図②ラペルの分類)

一般的にビジネススーツではノッチドラペルが用いられている為、市販のスーツを購入する場合ノッチドラペルを見ることが大半でしょう。

ノッチドラペルのスーツは、フォーマルシーンでも着ることができます。

一方、ピークドラペルはフォーマルシーンを念頭においた華やかなラペルです。

その為、ビジネスシーンではあまりオススメできないのと、仏事での着用はNGです!

そもそもラペルとは何かについては意外と知らない?スーツを着る上での基本をご覧ください。

ベントのデザイン

ベントとはジャケットの後ろ側の裾にある切り込みを指し、大きく3種類に分けられます。

(図③ベントの分類)

両脇にベントが入ったサイドベンツ(切り込みが2つあるため複数形)は、軍人がサーベルを取りやすくしたことが起源とされ、荘厳なイメージがあり、かつ動きやすい作りです。

真ん中にベントが入ったセンターベントは、イギリス人が乗馬服を裾に切り込みを入れたことが起源とされ、馬に跨った際に裾がキレイに収まることを想定したスポーティなイメージを与えます。

ベントが入っていないノーベントは、切り込みがない為、上2種類と比べて動きに制約がつきます。

激しい動きを求められないフォーマルウェアとしての意味合いが強く、最も荘厳なイメージを与えます。

ちなみにスポーティとはいえ、お尻が大きい方がセンターベントにすると、切り込みの部分からお尻が突き出る形になり、後ろ姿が崩れてしまいます。

特に意識しないのであれば、サイドベントにしておくと、誰でも型崩れなく着やすいかと思います。

ジャケットのポケット

ジャケットの腰あたりにあるポケットについては形や数が異なります。

(図④ポケットの分類)

【①】パイピングポケット
フラップ無しのポケットを指し、屋内の着用を前提としています。(フラップの役割については意外と知らない?スーツを着る上での基本をご覧ください)屋内着用が前提となる為、フォーマルウェアにあしらわれる事が多く、ドレッシーな印象を与えます。

【②】ノーマルポケット
水平につけてフラップありのポケットです。最もスタンダードな形で、ビジネス向きです。

【③】ノーマルポケット+チェンジポケット
ノーマルポケットにチェンジポケットをつけています。チェンジポケットとは、上の小さなポケットを指し、起源としてはチェンジ=小銭を入れるためにあります。現在ではブリティッシュスタイルの演出に用いる事も多く、ブリティッシュスタイルでスーツをオーダーする際には是非トライして頂きたいです。(大抵のテーラーではオプションになりますが、お手頃価格でのオプションとなることが大半です。)

【④】スラントポケット
斜めにつけたポケットです。イギリスの騎士が乗馬し、前傾姿勢になった際にポケットの中身が飛び出ない様にしたことが起源とされます。前傾姿勢の乗馬、つまり屋外の着用を想定したデザインの為、屋内着用を前提としたフォーマルシーンには向かないデザイン。

【⑤】スラントポケット+チェンジポケット
スラントポケットにチェンジポケットをつけています。③のチェンジポケットの説明と④のスラントポケットの説明の掛け算です。

【⑥】パッチポケット(アウトポケット)
その名の通り、外側に縫い付けたポケットです。スポーティかつカジュアルな印象を与える為、ビジネス向きではありませんが、私服として用いるジャケットには◎です。

袖口ボタンのデザイン

袖口ボタンのとりつけ方には、大きく3種類あります。

(図⑤袖口ボタンの分類)

最も広く流通しているのが「並びつけ」です。袖口のボタンに機能は無く、飽くまで飾りとしてボタンが並んでいます。

イタリアの職人が自身の技術力アピールの為に始めたのが起源とされるのが、「重ねつけ」です。袖口のボタンが重なってついており、ボタンとしての機能はありません。機械でのとりつけが難しく、手作業での取り付けを行うことが多いことから、高級な印象を与えます。

日本人が大好きなのが、「本切羽」です。ボタンとしての機能を有している為、袖口が開きます。オプション料金が発生するケースが大半ですが、オーダースーツでは本切羽にする方が多く見られます。しかし、ビジネスシーンで袖を開くことは不適切とされる為、飽くまで本切羽にしているという満足感の有無で要否を検討すべきかと思います。

裏地

裏地はそのとりつけ面積によって大きく3種類あります。

(図⑥裏地の分類)

読んで字の如く、全体に裏地がついているものが「総裏」です。秋冬は暖かい総裏!と言われることもありますが、ハッキリ体感するレベルでの変化は正直ありません。ただし、裏地がついている故に、生地が傷みづらく長持ちするという特徴があり、テーラーのブログ等を呼んでいても季節問わず総裏をオススメされる方が多く見られます。(温度調整は生地の薄手にすることで出来ますしね)

またまた読んで字の如く、背の部分の裏地がないものが、「背抜き」です。春夏は涼しい背抜き!と言われることもありますが、ハッキリ体感するレベルでの変化は正直ありません。ただ、背がないという事実が涼しい雰囲気を醸し出す為、プラシーボ的に涼しく過ごせるかもしれません。裏地がついていない故に、暑い時期に着ると汗が直に表地につくことになり、傷みが早くなります。また、薄い生地 x 背抜きのスーツを着ていると下に着ているシャツが透ける可能性もあることにご注意を!

読んだだけではわからない「アンコン」、実はUnconstructed(非構築的な)の略なんです。その為、結果こちらも読んで字のごとく裏地が全く無く、非構築的な作りになっています。着心地も良いのですが、カジュアルシーンでの着用を想定している為、ビジネス・フォーマルシーンには不向きです。週末の私服としては着心地良くオシャレに着れるでしょう。

本当にスーツを知った上で自分に合った1着を選んでいる方は、やはり周りへの印象のコントロールが上手く、カッコよく見えます。

たかが服。たかが印象。しかし、その「たかが」の積み重ねがあなたの今後を大きく左右するかもしれません。