意外と知らない?スーツを着る上での基本


オシャレって感覚的なもので結局よく理解できない…これが雑誌で散々「イケてる」とされるファッションを見た後に私が感じる印象です。

最近では私服のオシャレについて論理的な解を提示する方も出てきていますが、スーツは元来もっとシンプルです。

え、まだセンスに頼ってるの?論理で再現できるスーツの着こなしでもご紹介しましたが、歴史的こう着るべきが決まっており、カッコよく着るにはどうすれば良いかを、ほぼ論理的に導き出せます

今回は、基本でありつつも、意外と知られていないスーツを着る上でのポイントを纏めました!

上半身から順を追ってご紹介します。

目次

シャツの「襟」はジャケットから1.5cm出す

まずはシャツの襟とジャケットです。シャツがジャケットから1.5cm出ることを基本として押さえておきましょう。

(図① ジャケットとシャツの襟のバランス)
あなたはなぜ残念なスーツを購入してしまうのか?一流を作るスーツとはでも紹介したように、スーツ購入の時点でスーツのサイズが合っていること、またシャツのサイズが合っていること、が達成できていれば、こちらは自然と達成できるはずです。

シャツの「袖」はジャケットから1.5cm出す

次にシャツの袖とジャケットです。こちらもシャツがジャケットから1.5cm出ることが基本です。

(図② スーツの袖口とシャツのバランス)

シャツの両腕と襟がジャケットから同じ長さ(1.5cm)出ていることで、身長を高く見せたり、すっきりした印象を与える等、視覚効果が期待できます。

ネクタイの太さはラペルの幅に合わせる

次にネクタイの太さについてです。

着用するネクタイを選ぶ際には大剣の幅とラペルの幅を合わせると黄金比でカッコよく見えます。

しかし、黄金比の前に「大剣って?」、「そもそもラペルって??」という方少なくないのではないでしょうか。

まず、ネクタイの大剣とは上図の赤枠にあたるネクタイの太い部分を指します。ちなみに細い部分は小剣と呼びます。

(図③ ネクタイの大剣と小剣)

そしてラペルとは上図の赤枠にあたる襟の折り返し部分を指し、下襟とも呼ばれます。

(図④ ラペルとは)
それでは本題のラペルの幅とネクタイの太さについてです。

ラペルの幅は最も広がっている部分(上図の赤線部分)を測り、ネクタイの大剣の幅もこれに合わせるとカッコよく見えます。

(図⑤ ラペルと大剣の幅)

ネクタイの長さ

比較的有名なルールかもしれませんが、ネクタイが長すぎる方や、短すぎる方は多く見かけます。

有名な部分なだけあって他人から見られやすい部分でもあるので、押さえておきましょう!

(図⑥ ネクタイの長さのバランス)
上図でご覧頂いた通りですが、短すぎる場合には幼い印象を与え、長過ぎる場合はだらしない印象を与えてしまいます。

ちょうどいい長さとはネクタイの大剣がベルトのバックルを半分隠す程度です。

ビジネスシーンでは当然ながら、結婚式や式典等の写真に残ってしまうシーンでネクタイの長さにミスがあると、「なんだかキマらないなあ・・・」という印象が、写真を通して半永久的に残ってしまいます。

気になった方は写真を見返してみても良いかもしれません。

ジャケットのボタンは一番下を止めない

おそらく最も有名なルールかと思いますが、ジャケットは一番下のボタンは止めず、開けたままにしておきましょう。

スーツの形も様々で、自分のスーツの場合はどうしたら?と悩む方もいるかと思いますので、ビジネススーツとしてメインのシングルブレストに絞ってパターンを以下に纏めました。

(図⑦ 形別のボタンの止め方(シングルブレスト))
まず近年最も一般的な2つボタンのスーツの場合は、一番上のボタンのみを止めます。

次に、段返り3つボタンのスーツの場合は、襟の部分に1つボタンが隠れていますが、こちらは止めません。飽くまで真ん中のボタンのみ止めましょう。

最後に10年以上前に流行した3つボタンのスーツの場合は、上2つのボタンを止めます。

ちなみに、どの形のスーツでも共通している事ですが、座る際にはボタンはすべて外しましょう。

ジャケットのポケットの出し入れ

先にお伝えするとそこまで気にする部分ではありません。

ここでいうジャケットのポケットとは、正確にはフラップ(雨蓋)と呼ぶ箇所を指します。雨蓋という名から察する方もいらっしゃるかもしれませんが、これは元々雨や砂埃がポケットに入らないようにするものです。

本来の機能から考えると、当然屋内では中にしまい、屋外では外に出しておくとなります。

(図⑧ ジャケットのフラップの出し入れ)
・・・が、フラップの出し入れにはそこまで厳密に守らなくて良いかと思います。勿論、片方だけ外に出ているというアンバランスな状態だけは避けてください!

以上、スーツを着る上での基本でした。明日出社前、ご自身のスーツ姿を鏡で見てみてください。

見落としてた部分があれば、1つずつ押さえていくとあなたの印象は着実に変わります。たかが服。たかが第一印象。しかし、その「たかが」の積み重ねがあなたの今後を大きく左右するかもしれません。

今後もスーツに関する基本はもちろん、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録Twitterのフォローnoteの応援を宜しくお願いします!