(出典:http://www.fiveone-m.com)
「日本屈指の大阪の工場を使っています」そう言うメイド・トゥ・メジャーのテーラーやブランドが複数ありますが、その工場は基本的にここ、FIVEONE(ファイブワン)です。
BEAMSやSHIPSのようなファッションブランドが、自社企画で販売しているスーツやオーダーサービス、伊勢丹がイセタンメンズブランドとして販売するフィレンツェモデルのスーツ、水落氏のDittos等と枚挙に暇がありません。
そんなファイブワンですが、自社でもファクトリーブランドとして展開しているんです!
今回はそんなファイブワンのオーダースーツの仕様やオーダー可能な内容について、ご紹介したいと思います。
目次
オーダーの分類は「イージーオーダー」
ファイブワンは通常だとマシンメイド、オプション依頼した場合ハンドメイドで、CADに登録されたベースとなる型紙から縦・横幅調整し、あなた用の型紙を作成する「イージーオーダー」を採用しています。
ゲージ服というサンプルとして用意されてた服を着て、採寸結果に合わせて調整していきます。また、なで肩や猫背などの方向けの体型補正も行われます。
特にファイブワンの工場は、サヴィル・ロウを研究し、採寸結果からCADに入力する数値を自動化し、職人が手で引くラインにかなり近づけているそうです。
パターンオーダー、イージーオーダー、フルオーダーの違いや詳細が気になる方は、仮縫いの有無は無関係!もう騙されないパターン/イージー/フルオーダーの分類にまとめましたので、是非ご覧ください。
ファイブワンのハウスモデル
(出典:http://www.fiveone-m.com)
ファイブワンのハウスモデルはRJ、YMJ、SHの3つです。
RJ
ファイブワン51周年を記念して作成されたモデルで、アームホールが高く、いせ量が多いため可動域が広く、背中もコンパクトに作られているためキレイなS字を描きます。
YMJ
北イタリアのビスポーク用の型紙をベースに開発したモデルで、ボタン位置が低く、Vゾーンの広くなっています。こちらも背中がコンパクトに作られているためキレイなS字を描きます。
SH
芯地や裏地、パットなどの副資材を省いたモデルで、袖付けはマニカ・カミーチャになっており、型崩れを防ぐ大身返し仕様を採用しています。
ファイブワンで選べる生地と価格
(出典:http://www.fiveone-m.com/suit/#suit_price)
生地についてはWebサイト上に価格がまとまっており、価格ランク別にブルー、ゴールド、ブラックに分けられています。
・・・が、注意が必要なのが実は既に価格改定していて、掲載価格から1ランク分程度は高くなっていることです。
一部ご紹介すると
となっています。
バンチブックから選ぶことができますので、かなり幅広い選択肢を持ってオーダーできます。フィッターの方にイメージするスーツをお伝えし、適した生地を持ってきて頂くスタイルです。
持ってきて頂いた生地がイメージと異なる場合は、しっかりお伝えしましょう!
コミュニケーションの中で微修正を図り、自分が求める最高の生地を選ぶのが重要です。
かなり幅広い!カスタマイズ概要
カスタマイズ概要についてです。
袖ボタンは並びつけ、重ねつけだけでなく、本切羽も無料で対応頂けます。
ポケットは、ノーマル、スラントだけでなく、パッチポケットも対応頂けます。チェンジポケットをつける場合は、+¥800になります。
ベントはセンターベントやサイドベンツはもちろん、ノーベントも対応可能です。
襟付けについては+19,200でハンドメイドにすることが可能です。着心地および見栄えに影響してくるところなので、予算に余裕があり、こだわりのある方は選んでみても良いかと思います。
袖付けについては+¥16,000でハンドメイドにすることが可能です。こちらは見栄えには出づらいですが、長く着こむと着心地に大きな影響を与えます。こちらもこだわりのある方こそ選ぶべきオプションでしょう。
ボタンホールも1つあたり¥1,300でハンドメイドにすることが可能です。非常にこだわりの強い方は手穴かがりかを気にするので、選べるのは嬉しいです。が、ビジネスシーンでは大半の場合気にされることもなく、着心地にも影響しないので、完全に趣味の領域です。
肩パッドや裄綿の有無も選択可能です・・・が、ここまでくると逆にどうしたら良いか困る方もいると思いますので、フィッターの方と相談してベストなものを選べば良いかと思います。
裏地は総裏も背抜きも選ぶことができます。
裏地の素材自体は当然キュプラが標準です。ポリエステル裏地が標準でないところも嬉しいです。
ボタンについても本水牛などの高級ボタンが標準となっていました。
毛芯についてもRJとYMJについては、総毛芯を用いて、ハ刺しで芯を据え付けていますので、よくある「毛芯を入れています」と言いながら、毛芯と表の生地を接着しているだけの嘘っぱち工場とは一線を画しています。
スリーピースにする場合には、生地ランクよって価格が異なるものの、概ね¥16,000~21,000でベストが作れます。
納期は5週間~となっています。
ファイブワンの仕様
オーダースーツはサイジング命で、見た目的にはサイズが合っていればカッコよくは見えます。
が、着ている本人の着心地はサイズとは別に、スーツの仕立てられ方、仕様に影響を受けます。具体的には襟付けと袖付けの仕様がスーツの着心地を左右します。
襟付けはしっかりとアイロンワークを施して生地を首の形合わせて捻じ曲げることで、ジャケットを着た際の体圧を分散し、疲れにくく仕立てた「一枚襟」と、そういった作業をスキップして簡易的に立体感を作り出す「二枚襟」という仕様があります。
ファイブワンは、仕立てにこだわるテーラーやブランドから利用されていることからも分かるように、一枚襟を採用しています。(アンコン仕様のSHモデルのみ二枚襟)入念なアイロンワークも挟み、比較的高い首への吸い付きが期待できるでしょう。
袖付けについては、肩の付き方やいせ量などが重要。前身頃に対して後身頃側の生地を多めに使い、それらをいせ込んで縫い合わせることで、可動域を担保しているわけですが、ファイブワンはこちらも良好。
細かい補正も相俟って着心地は十分です!
「俺評価。」は?
基本的に「イチオシ」としました!ビスポークではないスーツに15万以上かけたくない方も少なくないと思いますので、15万を超える場合には「良し」としています。
標準仕様も、アップチャージでハンドメイド工程を加えたハイクオリティ仕様も着心地は「高」ですので、メイド・トゥ・メジャーのテーラーとしてはトップクラスかと思います。
評価方法の詳細については9割の人はテーラー選択ミス?「俺評価。」はじめましたをご覧ください!
大阪や福岡を始めとする地方都市にも店舗を構えているので、東京まで出てくることが困難な方にとっても安心して着心地の良いスーツを手に入れることのできる駆け込み寺かと思います。
着心地の良さから言えば当然なのですが、7万以上はどうしてもかかってしまうので、予算的に問題ない方が対象になります。
また、お店も(少なくとも銀座店は)完全予約制を採用しているので、中級者から上級者向けのテーラーでしょう。
もちろん、予算と予約のハードルさえ超えられれば、初心者の方にも丁寧に対応してくださるので、心配はいりません!
都内だけでなく幅広く展開
ファクトリーブランドのファイブワンですが、意外と各地に展開しています。
銀座本店 / 大阪本店 / 福岡店 / 富山店 / 射水店 / 静岡店 / 神戸店
・・・さて、ここまでご紹介してきたので、オーダーできる内容も、店舗の場所も分かったと思います。
とはいえ、いざ実店舗に足を運ぶとなんか違うと思っても「やっぱり止めた」とは言いづらいですよね。
まずはWeb上でちゃんと比較した方が良いと思い、体型の悩みをバッチリ補正!東京のイージーオーダースーツ店まとめに整理しておきました!
しっかり他店舗とも比較してから足を運べば、迷いも少なくなります。
今後も、実際に私が袖を通した結果や、仕立てた結果、そして店員と話した経験などを、感覚論に終始せず論理と組み合わせて整理していきますので、少しでも興味を持っていただけたら、是非Feedlyの登録やTwitterのフォロー、noteの応援を宜しくお願いします!