(出典:http://zozo.jp/pb/)
7月にオーダーしてから約5ヶ月。既に各所から挙がっている酷評に、逆にワクワクしていたZOZOのオーダースーツ。
・・・ついに届きましたので、遅ればせながらご紹介します!
オーダー内容
ざっとまとめると・・・
・基本形:2つボタン、シングルブレスト
・生地:チャコールグレー(無地)
・胸ポケット:バルカポケット
・ポケット:水平ポケット(フラップ付)
・ベント:サイドベンツ
・ボタン色:MBブラウン
・裏地:グレー、観音開き仕立て
・パンツポケット:両玉縁バックポケット(フラップ無)
・パンツ裾:シングル
・ウエスト:ベルトループ
こんな感じでオーダーしました。
【企画】仮縫い無しのフルオーダー?ZOZOスーツでスーツをオーダーしてみた感想でもご紹介したとおり、採寸結果はZOZO SUITの値からいじらず、飽くまでZOZOからのオススメでオーダーしてみました。
仕上がったスーツのご紹介!
・・・意外と着れます。
袖丈なんかはsuitsboxで間違ったサイズのスーツが届いた時と比べるとかなり良いです。
そもそも間違ったサイズと比べるのがおかしいのですが(笑)、相次ぐネットの酷評を見たきたせいか、ハードルがめちゃくちゃ低くなってますね。
真面目にコメントするとウエストの絞りがなく、ボックスシルエットになっているのが気になりますね。
このシルエット、アメリカントラッドといって好きな人は好きなんですよね。
ただそもそもこのシルエット、実は「オーダーのように一人ひとりに合わせるのを止めて、誰が着ても着れるシルエットにすれば、大量生産できるじゃん」というアメリカらしい合理主義的な思想が根底にあるんです。
ZOZO SUITで採寸することで一人ひとりに合わせたスーツをオーダーするという思想とは真逆です。
相次ぐ酷評を最低限に抑える為の施策かもしれませんが、なんだか残念です。
そして結局サイズも合っていないので、横から見るとよく分かりますが、ダボダボです。
ジャケットの肩もシワだらけですし、パンツもヒップから太ももにかけてダボついています。
ラペルもペタンとしていて、全然カールしていません。
後ろから見るとこんな感じです。
大きめなので、ボコボコしてしまっていますね。
super110’sで、生地自体はいい感じなのですが、如何せんサイズが合ってないと、どうしようもないですね。
ちなみに細かい部分に目をつけると、襟はパーツを2つのパーツを縫い合わせて作られた二枚襟でした。
襟の作りは首の吸い付きに直結する為、本来アイロンでじっくり人の首の形に合うように曲げる工程が必要です。
しかし、この二枚襟にすることで簡単に立体感が出るため、人手のアイロンワークをカットでき、コストが抑えられます。
その代わり首への吸い付きは、あまり期待できなくなります。
首(正確には第7頚椎)に吸い付いていない為、重めの生地を選ぶと重さがのしかかります。
ZOZOのスーツは軽く(むしろペラペラしている?)、重みは感じないので、全く問題ありません(笑)
ただしヒゲ襟にする等、仕立てにこだわっている風に見える部分はあります。
悔しいから分解してみた
¥25,000払っておきながら、着ないスーツでクローゼットのスペースが無くなるのも癪なので、分解してみました。
まずはラペルの部分ですが、新R25にもあるように、毛芯で作られているようです。(接着芯だと思っていました。申し訳ありません。。。)
前身頃も毛芯なのでしょうか?着心地としては全体的にペラペラとしています。
毛芯というと下の画像のようなものを想像していたので、あまりピンときませんね。
(出典:https://www.ringwood.jp/feature.html)
ちなみに、左上にある靴下みたいなパーツが裄綿です。袖山の形を良くしたり、丸みを出すために用いられます。
初めてスーツを分解したので、ドキドキでしたが、こんな風になっているんですね。
なんだか、中途半端な情報しかお届けできず、申し訳ありません!もう少し深く語れるように、これからも着なくなったスーツを分解してみて見識を深めようと思います!
【2019.3.5追記】悔しいから分解してみた Part2
ちなみに他のスーツ、特に量販店のスーツを分解してみたら、コダワリの詰まったZOZOのスーツとやっぱり違うのか、ということで新卒入社時から着込んで、そろそろ変え時だったSUIT COMPANYのスーツを分解して比較してみました。
い、言っていいのかわからないけど、ほとんど違いを感じない・・・笑
ちなみに左がSUIT COMPANYで、右がZOZOのスーツです。
たしかに使っている表地自体はZOZOがウール100%、SUIT COMPANYがポリエステル混紡なので、表地の高級感としてはZOZOに軍配が上がります。
しかし、どちらもラペルの中および、前身頃の仕様や副資材は同じようでした。
比較しているSUIT COMPANYのスーツも、新卒の時に購入したものなので当然、高級ラインなんかではありません。
もしくは
のどちらかなのでしょう。
副資材については、素材がなにかまで明記されていないので、素人では知る由もありません。
さて次に、素人目でもわかるアームホールで比較してみたいと思います。
手前がSUIT COMPANYで、奥がZOZOスーツです。
SUIT COMPANYの方がアームホールがコンパクトな仕上がりになっていますね。
オーダーを100倍楽しむ!王様の仕立て屋に学ぶ本場のナポリ仕立てでもご紹介した通り、アームホールは身体に合って小さい方が実は着心地が向上します。
ZOZOのだと明らかに大きすぎるんですよね。腕を上げるたびに余計な布が一緒に持ち上がるため、身体の動きに合わせてスーツが崩れてしまいます。
絞りを効かせていないウエストと同じく、誰が着ても問題ない様に作っている「大量生産の既成品思考」を感じます。
むしろ大量生産の既成品であるSUIT COMPANYの方が、着ての体型を考え、なるべく万人に合いつつも着心地を追求しているように感じます。
分解してみた Part2でわかったことは、むしろ「SUIT COMPANY凄いんじゃないか」ということでした(笑)
総評
他ブログやコラム等でも語られているように、まだオーダーすべきタイミングではなさそうです。
いくもの屍を超えて採寸精度や仕立てのレベルが上がっていくのでしょうが、敢えてあなたが犠牲になる必要もないでしょう。
もしオーダーを考えているのであれば、他を検討した方が良いかと思います。
Mezzoforte Loungeでは実際に私がオーダーしてみた例を踏まえて、様々なテーラーをご紹介していますので、ぜひ参考にして頂ければと思います。
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またオーダー等した際には紹介しますね!