トレンチコートの元祖!元王室御用達アクアスキュータムのスーツ攻略


(出典:https://aquascutum.jp/)
トレンチコートを生み出したと言われ(諸説アリ)、イギリス王室の御用達でもあったアクアスキュータム。

高級被服老舗だけあって、そのスーツは品格もイギリスらしさも持ち合わせています。

昨今のピタピタすぎるタイトスーツとは一線を画した伝統的なシルエットと、「パッと見普通なのに、なぜか凄くよく見える」魅力。

今回はそんなアクアスキュータムのスーツについて、既製品・オーダーともに徹底解剖します!

目次

基本的な仕様

ハウスモデルは多数存在しますが、店舗で薦められるハウスモデルとしては大きく2つ。

  • スローニー
  • バッキンガム
  • スローニーは比較的ナローラペル(といっても8cmなので本来標準です)で、ノータックパンツを標準としています。

    バッキンガムは、レギュラーとも呼ばれ9cm程のラペルで、ワンタックパンツを標準としています。

    どちらもブリティッシュ調で、昨今のタイト目シルエットとは違い、比較的余裕のある作りになっています。

    注意すべくは「ゆとりがあること」と「大きめの物を着ること」は異なるということです。

    変なシワが出ていないか、が見極めのポイント。

    具体的に見るべきシワについては、あなたはなぜ残念なスーツを購入してしまうのか?一流を作るスーツとはをご覧ください!

    この他にも伊勢丹限定でタイト目のモデルも用意されていますが、ブリティッシュらしさという意味ではこういったモデルではない方が良いでしょう。

    実際、販売員の方々も「ピタピタで着たいなら、アクアスキュータムでなくても良いのではないか」というスタンスです。

    個人的には自社ブランドの実現したいシルエットへのプライドがあって、とても好きです!

    そんなプライドを裏付けるように副資材や細かな仕立ても高水準。

    芯地はフル毛芯を基本とし、春夏物等で軽さを出すため以外で接着芯は使用しません。

    裏地の素材も当然高級のキュプラ100%を使用。

    また、襟の作りは全て一枚襟。アイロンでじっくり人の首の形に合うように曲げる工程を経た作りです。

    かっちりしたブリティッシュのブランドですが、一枚襟にすること、長時間着ていてもジャケットの重さを感じづらく、疲れにくくなります。

    既製品の価格帯と仕様


    (出典:https://aquascutum.jp/aq/blog/ menswear/index_3.html)
    既製品を着てみて驚くのが、イギリスブランドにも関わらず日本人の身体にあった前肩仕様になっているということ。

    前肩仕様を唄う大半の他ブランドが8度程度の中、15度ほど前に出している為、着ている人の肩の前面がジャケットに当たらず、着心地の良さが実感できます。

    これも日本での展開をレナウンが担っていることが影響しているのでしょう。

    さて、そんな既製品ですが、生地は基本的にゼニアを使用しています。(一部ドーメルもあるとのこと)

  • Ermenegildo Zegna Trofeo ¥240,000
  • Ermenegildo Zegna Traveler ¥180,000~200,000
  • ブランド未表記 ¥130,000
  • ただし、アクアスキュータムの場合、他ブランドと被らぬ様、生地を丸っとすべて買い付けていることも多いそうです。

    そのため、同じゼニアのトロフェオでも、その色はアクアスキュータムでしか買えないということですね。

    また、アクアスキュータムでは買い付けた生地を日本向けに加工しています。

    加工と聞くと改悪しているように感じますが、そもそも生地が、イタリアを始めとするヨーロッパの気候に合わせて作られてしまっていることがポイント。

    そのまま使うと日本の高温多湿な気候では、くしゃくしゃになってしまうんです。

    生地の風合いを損なわず、日本の気候に耐えうるように加工している為、良さはあれど悪さは気にならないでしょう。

    既製品では、YA体を取り扱っていない為、細身の方は後述のオーダーで調整する必要があります。

    オーダーの価格帯と仕様


    (出典:https://aquascutum.jp/aq/blog/aquascutum-has-the-measure-of-you.html)
    アクアスキュータムのオーダーには、前述の既製品をベースにしたものと、バンチブックから生地を選ぶものの2種類あります。

    既製品をベースにする場合、既製品価格の+¥10,000となります。

    バンチブックから選ぶ場合、生地ごとの価格は以下のようになります。(一部です)

  • ブランド未表記 ¥140,000〜180,000
  • CANONICO ¥180,000
  • Colombo ¥180,000
  • Ermenegildo Zegna Traveler ¥190,000~300,000
  • Ermenegildo Zegna Trofeo ¥350,000
  • Ermenegildo Zegna 15milmil ¥500,000
  • いずれの生地でも前述の仕立てとなっていますが、細かく見ると価格別に仕立てランクが分かれています。

  • 20万以下:レギュラーライン
  • 20万〜:プレステージライン
  • 50万〜:プライムライン
  • プレステージラインからはお台場仕立てになることやハンドメイド工程等の変化があります。

    さて、価格がわかったところで、カスタマイズ詳細についです。

    既製品ベースでもバンチブックベースでも、以下のカスタマイズ可能です。

    ベントはセンターベント、サイドベンツ、ノーベントから選ぶことができます。

    袖ボタンは並びつけのみで、本切羽にする場合には+¥5000になります。

    ポケットはノーマルやスラントはもちろん、チェンジポケットも無料で付けることができます。

    裏地は、総裏も背抜きもどちらも選ぶことが可能です。素材も当然キュプラ100%が基本でアップチャージもありません。

    スリーピースにする場合には、生地の価格の30%でベストを作ることができます。

    納期は既製品ベースの場合は4週間、バンチブックベースの場合は6週間です。

    本当にスーツを正しく着れていますか?

    アクアスキュータムを選ぶような硬派な方であれば、問題ないでしょうが、念のため。

    オーソドックスなシルエット一流ブランドだからこそ、それをカッコよく着るためには正しいサイズで着こなすことが重要になります。

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