コスパも技術の高さも!進化を続けるイセタンメンズのスーツ攻略


(出典:https://www.isetan.mistore.jp/shinjuku/ shops/men/business/shopnews_list/ shopnews02.html)
新宿伊勢丹のメンズ館で展開されるプライベートブランドのイセタンメンズ。

プライベートブランドということで価格を抑えたスーツを販売していましたが、近年は少し価格帯を上げ、より本物志向に仕上げています。

今回は日本一の売上を誇る新宿伊勢丹のプライベートブランド、イセタンメンズのスーツについて、既製品・オーダーともに徹底解剖します!

目次

3種類のモデル展開

イセタンメンズには、2018年12月時点で大きく3種類のハウスモデルがあります。

  • ナポリクラシコ
  • モダンクラシック
  • フィレンツェ
  • いずれもイタリアンクラシコをベースとしたモデルで、それぞれ縫製工場が異なります。

    ちなみにスーツにおけるイタリアンとは何かについては、なぜあの人はカッコいいのか?差がつくスーツ・ジャケットのポイントをご覧ください!

    さて、各モデルについてもう少し説明しますね。

  • ナポリクラシコ
    • アンコン仕立てで、イタリア南部らしい軽やかな作りになっており、軽さを出す意味でも接着芯も使われています。

      イセタンメンズの現行モデル唯一の2つボタンで、高めのゴージラインに広めのラペルや絞られたウエスト。

      そして袖は控えめなマニカカミーチャになっています。 (元々はしっかりとギャザーを入れていたそうですが、お客さんの声を取り入れて控えめに改良したそうです。)

      実はタリアトーレにインスパイアされて型紙が起こされており、縫製工場はD’urbanでお馴染みの宮崎ソーイング。お値段を抑えて近いものを購入したい方にはうってつけです!

      サイズとしては、JIS規格でY体とAB体が用意されています。

  • モダンクラシック
    • モダンクラシックはイタリア北部を意識しているため、ナポリクラシコよりはカッチリとしています。

      芯地は同じく接着芯も使われていますが、ジャケットのフロントのボタンは3つボタンの段返り。

      実はラルディーニにインスパイアされて型紙が起こされており、縫製は豊通の中国ハンドメイド工場が担っています。こちらもお値段を抑えて近いものを購入したい方にはうってつけです!

      サイズとしては、JIS規格でA体が用意されています。

  • フィレンツェ
    • フィレンツェはイタリア南北の両方のテイストを取り入れたモデルです。

      型紙はインポート物の上質なスーツを買い付けていた方が作成しており、日本屈指の工場ファイブワンファクトリーで仕立てられています。

      他2つのモデルとは一線を画した最上級の仕上がりで、総毛芯なのはもちろん、縫製にかける工程数や副資材のクオリティもグッと上がります!

      特長としては、ワイドラペルや低めのゴージライン、3つボタンの段返りのフロント。そしてパンツもワンプリーツになっています。

      パンツのプリーツとは何か等は、知らないのに結局聞かれる…パンツの仕上げの種類と対処法にまとめていますので、是非ご覧ください。

      このフィレンツェモデル、サイズとしては、JIS規格でA体が用意されています。

    フィレンツェの作りが良い為、全て試着するとどうしてもフィレンツェの良さが目立ちますが、ナポリクラシコもモダンクラシックも6〜8万台のスーツとしては、かなりのクオリティを誇ります。

    2018年12月時点のモデルでご紹介していますが、今後ダブルブレステッドの型紙等も起こされていくようなので、要注目です!

    既製品の価格帯と仕様


    (出典:https://www.imn.jp/feature/suite)
    イセタンメンズでは、既製品展開が基本となります。

    前述の通り、ハウスモデルと仕立てのランクが紐付いていますので、より良い仕立てを求めるならフィレンツェモデル一択となります。

    各スーツ使われている生地については、内側にブランドロゴの入った布が縫われていない為、販売員に聞かなければ分かりません。

    このブランドロゴ布を付けることによる価格の上乗せを防いでいるそうです。

    参考までにナポリクラシコとモダンクラシックモデルのスーツでは、

  • DRAGO
  • CANONICO
  • Ermenegildo Zegna
  • 等の生地が使われています。

    価格は¥69,000〜90,000程度と幅がありますが、生地ブランドのランクと価格はあまり関係無いそうです。

    ちなみにフィレンツェモデルでは日本が誇る葛利毛織の生地が使われていました。

    葛利毛織では、ションヘル織機という昔ながらの低速織機を使っている為、織り上がる生地が柔らかくなるんです。

    1日あたり織ることのできる数は、現代の効率重視の織機よりもグッと少なくなるのですが、その分高いクオリティを担保できるというわけですね。

    さて、そんな葛利毛織の生地で仕立てたフィレンツェモデルのスーツは¥110,000となります。

    いずれのモデルでと裏地の素材はキュプラを使用している為、ポリエステルのような静電気や湿気のこもり等を心配する必要はありません!

    オーダーの場合の価格帯と仕様


    (出典:https://www.imn.jp/post/108057196342)
    イセタンメンズでは、2018年10月からパターンオーダーを開始 (正確には再開) しています。

    パターンオーダーできるのはフィレンツェモデルのみとなっています。

    生地も既製品のものではなく、バンチブックから選ぶことになります。価格目安ですが、

  • CANONICO ¥130,000
  • 葛利毛織 ¥150,000
  • となっています。

    さて、価格が分かったところでどのような所をカスタマイズできるかについてです。

    ベントはサイドベンツのみ選択できます。

    袖ボタンは重ね付けのみで、無料で本切羽にすることは可能です。

    ポケットについても、ノーマルな水平ポケットのみとなり、スラントやチェンジポケットにすることはできません。

    裏地については、総裏、背抜きが選択できます。

    ベストはオーダーのみの対応で、+¥42,000〜となります。オーダーのみ故にたとえばナポリクラシコやモダンクラシックをスリーピースで着たい場合は、ベストのみフィレンツェモデルとなります。

    まぁベストなので、そこのモデルが違っていてもそう違和感はないでしょう。

    ・・・さて、ここまでオーダーのカスタマイズ範囲をご紹介しましたが、フィレンツェモデル用に提携している工場は、技術的には大体の事には応えることができます。

    なので相談次第ではラペルの幅やベントの種類等の変更ができる可能性もあります。

    ただし、価格や納期などのバランスを考え、イセタンメンズが前述のパターンに抑えているので、あまりお願いし過ぎない方が良いでしょうね。

    最後に納期ですが、少し長めで6週間程度とのことです。

    もちろん、元々のパターンをはみ出すような依頼をした場合、納期はさらに長くなることに注意です。

    購入・オーダーに向けた準備

    こちらはオプショナルですが、一流のビジネスパーソンとして、適切にスーツを着こなすための情報を以下にまとめましたので、ぜひご覧ください!

    そもそも論理的に一流のスーツスタイルとは・・・
    え、まだセンスに頼ってるの?論理で再現できるスーツの着こなし

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    あなたはなぜ残念なスーツを購入してしまうのか?一流を作るスーツとは

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    なぜあの人はカッコいいのか?差がつくスーツ・ジャケットのポイント

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    テナントでブランドを入れたり、新宿伊勢丹限定のブランドやモデルを入れたりと、独自性が光る新宿伊勢丹。今回ご紹介したプライベートブランドのイセタンメンズも、その独自性の1つでしょう。

    ダーバンオンブラーレノームゴタイリクと併せて、来店の際には必見です!